君と。

本田そこ

Blue

雲を食べたい

雲、食べてみたいよね。


そう言うと大抵、綿菓子っぽいもんね、とか言われる。

たまーに、かき氷みたいだねって言う人もいる。


でも、どっちも違うんだよなぁっていつも思ってる。

私が食べたいのは雲であって、綿菓子やかき氷じゃぁないんですよ、って。


それが食べたきゃそっちを食べますさ。甘いもの大好きだし、今は夏だし。まぁね、ランチとか縁日とか、私の方も口に出すタイミングが悪かったかしらってちょっと思ってた。


でもね、そしたら君は食堂でこう返してきたわけ。


「どんな天気の時が好みなの?」


すかさず私が今日みたいな天気って言ったら


「入道雲って食べ応えありそうだよね」


なんて答えが返ってきた。

確かに、今日は大きい入道雲が遠くに出来ていていい眺めだった。

あの白いモフモフに思いっきりかぶりつけたらどれだけ幸せだろうかなんてことを考えながら歩いてたよ。


この場所からは見えないのが残念。


誰かと一緒に食べたいなって思ったのは、それが初めて。

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