大会本編
第4話 1日目 第5試合 前編
「止め!!第4試合、白い鳩の勝利!」
「ヤバい、鳩が人間に勝ったぞ!」
「凄くね?」
「あの鳩、格好いいわ!人に勝っちゃったんだもの!」
「流石は鳩だ。でもまあ、
「だよなあ。良い試合だったと思うぜ。チートVS不死よりは全然おもしれぇな。」
「そうか?俺はチート争いの方が好きだが。」
観客席からちらほらと感想が聞こえてくる。
(第4試合は鳩の勝ちかー。そりゃ観客もびっくりするよ。まっ、第5試合も驚くことになるだろうけど。だって、相手が誰であろうと
フィールドに繋がっている通路で愛梨菜は自分が呼ばれるのを待っていた。
アナウンスを聞くに、どうやら第4試合が終わったようだ。
なら、愛梨菜はもうすぐ呼ばれることだろう。
そう思い、待つこと5分。
「桜 愛梨菜さんね?もうすぐ呼ばれるから、フィールドにすぐ出られる所まで来てくれるかな?」
「うん。わかった!」
ここに来て初めて話したお姉さんとはまた別のお姉さんが声をかけてきた。
愛梨菜はその指示に従い、フィールドにすぐ出られる所まで来た。
「あのね、おねーさん。たいせんしゃのひとって、どこにいるの?ここにはまりなしかいないけど。」
「あっ、それはね。反対側にもう一つ、フィールドへの入り口があるの。ここからだと、ちょっと見づらいかもしれないけど、そこにちゃんと対戦相手がいるから大丈夫よ。」
「そーなんだ。ありがと。」
*****
「それでは、予選1日目、第5試合を始めます!」
そうアナウンスがあった途端、会場が沸き上がった。
フィールドに立ち、試合開始の合図を待っているのは幼女とねこだった。
これまでも変態VS少女や黒VS白、チートVS不死、文化系男子VS鳩といった、珍妙なメンツによる試合であったが、この第5試合もそれらに負けないどころかそれ以上に不思議なメンツなのであった。
「では、両者位置について。―――――始め!」
審判が始まりの合図を出した。
(どうしようかなー?まさか、ねこが相手だとは思ってなかった。ねこをやっつけちゃったら、可哀想だしなー。んー。場外に出すしか方法はないか。)
愛梨菜は何でもポケットに手を入れた。
「おぉっと!愛梨菜ちゃんはもう仕掛ける気です!袋に手を突っ込んでいます!一体何をする気なのか!そして、ただのねこはどうやって対処するのでしょうか!?」
アナウンスを聞きながら愛梨菜が袋から手を出そうとした瞬間、愛梨菜の視界が傾いた。
一瞬の後に襲われる浮遊感。
そして愛梨菜は穴の中へ吸い込まれていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます