異世界人に改造された身体は謎が多い

如月灯名

第1話

夏の夜、僕は扇風機で涼みながらテレビを観ていた。


不思議な映像を特集する番組で、心霊写真やUFOが映し出されている。


それを本物かどうか見極めようとするタレントや専門家たちがスタジオでディスカッションするのだ。


「ふぁぁぁぁ…………」


思わず欠伸が出る。


こういう怖いのとか不思議なのは大好きなのだが、あからさまに作り物だと分かるものでも真剣に話をしているところはあまり観たくない。


以前はドキドキしながら観ていたのに、最近は作り物っぽいのが多い。


僕は何気に幽霊とかUFOいるかもと思っている方なので、早く本物を出してよ!と思わず野次を飛ばす。


…………それから、二時間の特番は退屈な時間の方が多かった。



────



「なあなあ、昨日の特番観たか?」


僕の前の席の坂田がそう話しかけてきた。


「ああ、もちろん観たよ!今回は作り物っぽいのばっかりですごいつまんなかったよな。もっと本物出してくれたら良いのに。」


「あ、泊は結構UFOとかいるって信じてるタイプだったっけ?」


「いるに決まってるだろ?それなのに、作り物ばっかり出してたらみんな疑い出すからやめてくれよって感じ。坂田もそう思わないか?」


「…………俺はあんま信じてないタイプだから、どれが上手く作れてるかって観てた。」


坂田はへへへと奇妙な笑い方をして、頭を掻いた。


こいつはこうやって正直に話してくれるからすごくやりやすい。


だって、信じてないのにすごいよね!とか言われるとかなり白けてしまうから。


「誰か、信じてない人も信じちゃうくらいすごいやつ出さないかなぁ…………」


僕は溜め息混じりで呟いた。


坂田にも信じさせたいというわけではない。


ただ、それくらいリアルなのを観てみたいというだけだ。


「ほんとだね。そんなの観たら俺も信じる側に行っちゃうかもだ。」


坂田が深く頷く。


「あーあ、テストに出てくる問題もUFO関係とかだと面白いのにな~」


僕は背伸びをしながらぼやいた。


「思い出さすんじゃない。せっかく忘れてたのに。」


坂田が、顔をしかめる。


「忘れちゃヤバいぞ。っていう僕も、全然勉強してないんだけどね。」


今日はこれからテストだというのに二人でそう言いながら開き直ってるあたりが一番ヤバいような気がする。


高校に入って、勉強が難しくなって途端に消え失せてしまったやる気は戻ってくる気配がない。


いろいろ考えながらも、テストが始まるまで二人はのんびりしていた。



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