　ベルンシュタイン家に仕える使用人の一人。プロローグ時点での年齢は24歳。生まれてすぐに両親を亡くし、アウラ教会附属の孤児院で育った。

　16歳になり働き口を探していたところ、教会の伝からベルンシュタイン家の使用人の仕事を紹介される。

　親の愛情を知らずに育ったために家族というものを渇望しており、使用人として一つの家庭と密着すれば自分の求めているものが得られるのではないかと判断し、求人に応募した。そこから8年間という月日をベルンシュタイン家の奉公に捧げ、同家の最古参の使用人として家人から特別な信頼を得るに至る。特に出会った当時のセシリアはまだ5歳であり、お世話をしながらその成長を間近で見てきていたため、セシリアからは姉のように慕われている。アデリナ自身もセシリアを始めベルンシュタイン家の家族を愛しており、当主のランベルトや奥方のアンナのことを「お父様」「お母様」と呼ぶが、他の使用人のいる前では普通の使用人として振舞っている。

　素直で真面目な性格であり、与えられた仕事は手を抜くことなく真摯にこなす。魔法の才能はなく、魔法は一切使えない。そのため魔法の使える他の使用人からは「なぜこんな人が最古参として信用されているのか」と家人からの待遇を疎ましく思われることもあり、そのお人好しすぎる性格もあって仕事を押し付けられることもしばしば。

　決して突出した特技や才能があるわけではなく、仕事の手際も平凡であるが、物腰豊かな雰囲気や滲み出る愛情と母性が家人から好まれている。