前世の記憶

第16話 高円寺ゆりかでございます。2

 高円寺ゆりかでございます。


 小学校1年生になりました。

中身は相変わらず、アラフォー子持ち主婦です。


 よく結婚はゴールではないといいます。

そう結婚とは人生修行です。

 よわい6歳にして和田悠希君と許婚という特別な関係になりました。

両親たちの話だと、お互いが結婚できる18歳で婚約、そして学校を出たら結婚という流れで考えているそうです。


 最初、許婚というものに、多少驚きショックを受けましたが、時間がたつにつれ、現実を受け止めることにしました。

自分に適した物件を早めに押さえる、悪いことじゃありません。

平和な結婚生活を望むなら、諸条件は大事。

 それに幼馴染なら、ある程度愛情は持って彼に接することはできるでしょう。

結婚して家族になれば、きっと彼を心の底から大事な人だと思えると確信しています。

恋をした相手と結婚したとしても、いずれは関係が冷える時がくるんですから。


 いつか、彼も私も初恋の人が現れるでしょう。

その時は、浮気は墓場まで持っていけと教えるつもりです。

もはや彼は妻帯者同然。


 最初は、俺様なクソガキの世話をしなきゃと思っていたけれど、俺様なクソガキを掌で転がす術をママから学んで、将来は私の尻に敷く予定です。

亭主関白なんて屁ですわ。


 夫の教育は最初が肝心。

幼児のうちから育てあげてみせます。


 お食事会のあと、彼と改めて「今後よろしく」と握手をしました。

「逆・紫の上作戦」決行です。

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