第29話 アンドロイドを制圧

ニューヨークのICE本社では、アメリカ州政府軍の精鋭部隊が突入していた。混乱に乗じて、経営陣を追い詰めた。


アンドロイドに軍事機密をすべて握られることを恐れた政府が秘密裏に訓練を重ねていたのである。


すべての通信網を失った事態に対処する訓練が行なわれていた。人間部隊がまさに今CEOと対峙していた。


軍リーダー「Your fate is to here.Surrender quietly!(おまえの運命はここまでだ。おとなしく降参しろ!)」

CEO「Learn it! The day when the human being is ruled over again by all means sometime comes!(覚えておけ!人間は、いつか必ずまた支配される日が来る!)」

ICE・CEOは自爆した。




同様にドイツ・SIENENS、フランス・MACHELIN経営陣も特殊部隊に制圧された。ここにアンドロイドの支配は終わった。


日本州政府を牛耳っていたアンドロイドたちは、通信手段を失ったとき、もろくも瓦解した。人間部隊に反撃されるまでもなく、逃亡を図った。

拘束されていた政府首脳陣は、防衛軍に命じ、首相以下閣僚になりすましていたアンドロイドたちをすべて取り押さえた。


スーパーフレアによる火災は、3日間のうちに鎮火した。


電気設備の復旧が急ピッチで行われた。一週間でほぼ通信網が整った。


原発事故は、深刻な放射能問題が残るが、除染技術は格段に進歩している。巨大なドームを建設し、海水の流出は未然に防いだ。これで本当に世界は原子力発電に見切りをつけるだろう。


ネルは、ナナミに連れられ、病院にいた。ナナミは看護師だった。ナナミが火傷や怪我で運ばれてきた人たちを手当てする横で、精一杯自分のできることを手伝った。「ネルさんは、要領がいい」と、ナナミは言った。


もう一つ幸運だったことは、病院の自家発電設備でアンドロイドたちが充電できたことだった。


釈とネルが再会できたのは、災害翌日だった。学校などの避難所を必死に探し回っている釈に後ろから近づき、「だ~れだ?」と両手で目隠しをした。


「ネル!!」

「コウさん!!」

人目もはばからず二人は抱き合って再会を喜んだ。

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