第25話 地球温暖化から寒冷期へ

2040年代に入り、地球温暖化が覆る気候変動が起こり始めた。

徐々に平均気温が下がり始めたのである。

30年代は第3次世界大戦の危機的状況にまで温暖化による災害や食糧・水不足に悩まされた世界の様子が変わり始めていた。

2046年10月、大寒波がやってきた。東京も初雪を観測し、北海道は-30℃を記録した。

世界各地で寒波による死者が続出した。

この異変をすでに予測していた研究者がいた。西京大学付属天文台教授の田端誠一である。彼は太陽研究の第一人者であった。

太陽の黒点が減少すると、寒冷期が訪れるのである。

黒点の減少による過去に起こった最も有名な寒冷期「マウンダー極小期」である。1645年から1715年の太陽黒点数が著しく減少した期間の名称で、太陽天文学の研究者で黒点現象の消失について過去の記録を研究したエドワード・マウンダーの名前にちなむ。

この時期のヨーロッパや北米大陸では、冬は激しい寒波と夏でも寒いと感じる年が何年も続いたという。


田端教授は、政府に報告を続けていたが、アンドロイドの支配下におかれたことにより、研究を報告することをやめた。


彼は、次に起こる恐ろしい事態を予測していたのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る