青色の青春
@piano1209
「出会いの時」
今、この都立神目黒高校にはある噂が流れている。美桜の二年A組に、転校生が来るというのだ。
「まさか……。二年の三学期に転校生なんか来るわけない。」
キーンコーンカーンコーン♪
「オーイみんな座れ!えー今日は転校生を紹介する。」
「えっ……。本当に来た。」
「おい菅原(すがはら)、自己紹介しろっ。」
「はい。えー、菅原将生(すがはらまさき)です。よろしくお願いします。」
「じゃあ森田の隣に座れ。」
「はーい。」
「菅原くんがこっち来る。どうしよう。」
美桜(みお)の心の不安は中から溢れて、顔が少し赤くなった。
気付いたらホームルームが終わっていた。美桜はドキドキして先生の話なんか全く聞けなかった。イケメン好きの親友、苺は美桜に駆け寄ってきて、興奮を押さえきれずに何度も将生と美桜を交互に見た。
「美桜、ズルくない?」
「そんなことないよ。偶然隣が空いてただけだから。」
「でも美桜の顔……赤いよ。」
「いやいやいや……。苺だって赤いし。私が好きなのは芸能人Aだから。」
芸能人Aとは、韓国人アイドルグループのリーダー で顔は爽やか系のイケメンで高身長、体型もスマートでいわゆる完璧。美桜も来日ライブは勿論、Aのグループのライブの為だけに韓国に行ったこともある。美桜だけでなく、全国の女子中高生から愛されているアイドルだ。
確かに菅原君はイケメンで背も高い。でも美桜は何故か好きにはなれなかった。まず、自分が男子から告白されたり、自分が告白してOKもらったりできるなんて、人生で一度もないと思った。
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