彼女たちの旅路

いづみゆうた

LAST JOURNEY

 本稿のレビューの前に、現在アカネプロダクションが鋭意製作中の「LAST JURNEYラスト・ジャーニー」についてざっくり説明すると、まずジャンルはファンタジーな冒険モノで、色々と行動に制約があるヒロインの手を引いて様々な障害を乗り越え目標を目指す達成型のダンジョンRPGである。

 以下公式サイトより引用。

   

 ――余命が幾ばくもないヒロインを憂いた主人公が、悪魔を召喚して“不死の心臓”を受け取るところからこの物語は始まる。心臓を与えられた少女は、罹っていた重病から開放されて、それまでは立つことすらままならなかった足で野を駆けることさえできるようになった。村人たちはめでたいこともあるもんだと少女の快復を祝うために宴を開き、少年と少女は束の間の幸福に浸る。

 しかし、悪魔との取引には常ならぬ代償が必要なのは知れきった事実であり、その代償とは、“不死の心臓”から流れる“黒い血”という形で支払われる。“黒い血”は、幾つかの条件を満たすと突然“不死の心臓”から供給され、全身に回ると一時的に少女は悪魔に身を譲らなければならない。少年がそれを知ったのは、宴の翌朝に村人たち全員が血肉となって斃れていて、うちの1人に“悪魔憑きの少女”が腹這いになって肉を貪っている光景を目の当たりにしてからだった。

 黒い血が引いて涙も枯れ果てた少女は、まだ歯間に挟まっている親の肉を覗かせながら、こんなことをしてまで生きたくないと言った。その言葉に少年はようやく自分の罪を理解する。“不死の心臓”の所有者はどんな武器で身体を貫こうと死ぬことはできない。悪魔の契約を白紙に戻すには同じ悪魔を仲介する必要があった。2人は心臓を還すために、北方の最果てにあると言われる「魔のねぐら」を目指して旅に出る――。


 とまぁこんな感じの出だしではじまるので、暗くてジメジメした雰囲気のゲームなのかと思われるかもしれないが、安心してほしい。実際プレイしてみると、主人公から決して離れまいと後ろをついて歩くヒロインをただひたすらに愛でるゲームだと気づくはずだ。


 ――3gamersのコラム『紅坂朱音の新境地』より抜粋。

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