第2話 劉備 玄徳

後漢末期 首都 洛陽


賑やかな町の中を二人の男が歩いている。一人は周りの者達と違い立派な身なりをしており、名を劉備、字は玄徳と云う。もう一人は立派な偉丈夫で、名を関羽、字を雲長と云う


「劉備様 剣も持たずにうろつくのは・・・ 何かあっては困ります」


「洛陽で私に手を出すのはいないと思うぞ。それに君が眼を光らせているのだから、大丈夫さ」


「少しは 自分の立場をご理解して頂きたい。貴方に何かあれば父君が悲しまれます」


劉備の父は劉弘と云い、現在は洛陽から離れた土地。 徐州で太守と云う役職に付いている。徐州は高祖の生まれた土地である為、代々の徐州太守は皇族が勤めている。劉備の祖父の劉雄も太守を勤めていた。


「分かった。気を付けよう。特に洛陽の外ではな」


実はこの時代 荒れに荒れていた。地方では度々の天候不順が重なり反乱が勃発、異民族も活発に侵攻を繰り返していた。だが、その事実を帝は知らない。宦官と呼ばれる帝の取り巻き達がその情報を握り潰していたのだから。また帝、本人も酒と女に溺れていた。だが、次第に反乱の芽は大きくなり、隠す事が出来なくなる。各地で黄巾賊と呼ばれる者達が暴れていた。事を重く見た帝も遂に動き出す。

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