第4話 『クールタイム』

 神殿から一番近い街に向かう道中。


 女神様が別れたから僕達は

 ――女神様『と』別れ『て』から僕達はです、マスター。勝手に女神様を離婚させてはダメです。


 どうせすぐ別れるのに……原因は旦那に秘密のカメラ趣味がバレたとかで。


 やさぐれる僕に、セリが優しげな声を響かせる。


 ――人が人を想う気持ちは簡単に揺らがないと信じたいのですが。道具の私ではやはり無理解でしょうか?


 それを聞いて僕は。


「いや、そんなことないと思うけど……」

 と、思わず声を出してしまい、ハッして帽子をかぶった。


 セリの声は僕意外に聞こえないから、返事を声に出せば周りからどう見られるかは明白だ。

 でも。


 ――そうでしょうか……では、気にしないよう努めます、マスター。


 直後に、気に竹刀しないと言うセリの声がして……なら僕も、あまり気にするまいと思った。

 僕はぎゅっと竹刀を握る。

 それに、今は周りに人もいなかったし……って、あれ?


「セリ? 今、僕ゴジ誤字なかった?」

 一瞬、遠くに巨大生物の影が見えた気がした。


 ――肯定です、マスター。修正が入らなかったのは現在、誤字修正機能がクールタイムだからです。これよりしばらくは誤字修正ができません。私本来の役割であるナビ機能は常時活用いただけますが。


「そっか……ちなみにクールタイムってどれくらい?」


 ――1度の使用10分間の後、30分程です。


「なるほど、わかった。じゃあ、ひ啄木鳥引き続きナビをよろしく。僕は誤字ら内容ないよう気を付蹴るよ」


 突然現れた啄木鳥から蹴りをくらっても、僕は笑ってセリに告げる。

 その後、僕は彼女のナビに従って街を目指した。

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