勇者召喚されたら誤字だらけでした
奈名瀬
第1話 勇者『山本 優馬』
とある神殿の中。
「目神様!」
直後、目の前で女性の目が増えた。
しかし。
「女神です」
女神様がツッコむと、彼女の目は元の二つに戻った。
それから絵神様はため息をつい……たかと思えば片手に筆を握る。
彼女はキャンパスの前に座っていた。
「あの、勇者? 心の中でミスタイプした上に、誤変換しないでほしいです」
「絵神様、それはメタ発言では?」
「女神です。女神だからいいのです」
そして、僕の発言の間違いを指摘すると、女神様はまた元の姿に戻る。
彼女は再びため息を吐くと、疲労感の
「勇者よ。どうやら貴方をこの世界に召喚し、言葉を共有させる際に問題が起こったです」
女神様の声は虹色だった。
「どういうことですか?」
「強い力を持つ貴方が誤った現世語を用いると、それが一時的に世界に影響を与えるです」
「なるほど?」
僕は首を傾げながら頷く。
「つまり、こういう
僕の確認に、女神様は琴を弾きながら棒を担ぎ、急に現れた町民らしい人を刺そうとする数匹の蚊を一瞥しながら頷いた。
「百聞は一見に如かずですね」
その後、元に戻った女神はまたため息を吐く。
「しかし。この調子では魔王を倒すなど夢のまた夢ですね」
「
「魔王です。今、世界のどこかで魔王が踊っている気がします」
「便利な能力ですね」
「それを便利だと思える貴方が私は心配です」
三度女神はため息を吐き、僕に
彼女の服が少しはだける。
「勇者よ。貴方には問題が山積みですが強いのは確かです。能力をステータスで確認なさい」
「おお!」
僕は気分が
【名前】夜魔喪徒 幽魔
【職業】遊者
【酢KILL】再考の棒魚。西京の高劇。遠泳の馬ry
途中で確認をやめた。
「僕の名前、夜露死苦みたいになってたんですけど」
「びっくりですね」
「職業。勇者ってか、遊び人だったんですけど」
「ビックリですね」
「スキル。お酢を殺してたんですけど」
「
「……スキル、今使ってみてもいいですか?」
「ダメです」
ダメだった。
「しかし遊者ユウマよ。安心なさい」
「勇者です、女神様」
「貴方のスキルは異常事態ですが、攻撃や防御力。数に関する項目は正常かつ高い水準でした」
「つまり?」
「貴方は素殴りで魔王討伐を目指すのです」
「えぇ……」
こうして、言葉が不自由な僕の魔王
翌日、女神様の元に魔王が数名の配下を
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