JR原宿駅・表参道口は、流石に物凄い人混みだった。

日本人が多いのはもちろんだが、服装や顔立ちの微妙な違いから日本人では無いとわかる東洋系の人々や、黒い布を頭に被った中東系の女性達、そして西洋人もかなり多い。

韓国語、英語、フランス語に加えよくわからない言語が飛び交っていて、一瞬、「ここは本当に日本だったっけ」と妙な胸騒ぎを覚える。

萌の到着を待つ間に、恵一は観光客の集団に押し流されて表参道を少し入ったガードレールの側まで来てしまった。

でもまあ、丁度良いのかもしれない。

駅の側では萌と合流するのも難しそうだ。

戻るのを諦めて周囲の若者がそうする様にガードレールに腰掛けていると、恵一のもとに一人の男が近づいてきた。

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