恋愛予報 三角カンケイ警報・発令中!/西本紘奈
角川ビーンズ文庫
登場人物紹介/プロローグ
◇登場人物紹介
高校1年生。その日の恋愛運が天気予報のマークで分かる“恋愛予報”が見える。祐生に片思い中。
高校1年生。ヒカリの幼なじみ。いつもやさしく、さわやかなイケメン。
高校2年生。生徒会長。とても優秀で実績もあるが、ちょっと意地悪なところもある。
高校1年生。祐生と仲がいいという噂の、美人な転校生。
◇
十月も終わりのころだった。
日はすっかり暮れ、落ち葉が風に
公園のすみでは小学校低学年くらいの小さな女の子が静かに
彼女を追ってきたらしい男の子が声をかける。
「ヒカリちゃん、どうして泣いているの?」
少年に問いかけられ、少女は悲しげに首を横にふった。
「ミキちゃんに、きらわれちゃったの」
「え?」
「へんなこと言うからヒカリちゃんなんてキライって言われちゃった……」
思い出したのか、少女の目からまた涙がこぼれる。
「あんなこと言うんじゃなかった……! わたし、ひとりぼっちになっちゃう。ミキちゃんだけじゃなく、みんなにきらわれて、ともだち、ひとりもいなくなっちゃう──」
「────ぼくがいるよ!」
少女がさいごまで言う前に、少年がいきおいよく大声を出した。
おどろいて少年を見上げた少女に、彼はつづけて言う。
「ぼくはヒカリちゃんをきらったりしない!」
「ほんとに? わたしがへんなこと言っても気にしない?」
「うん、もちろん」
「ふたりだけのひみつにしたら、守ってくれる?」
「守るよ。ひみつも守るし、ヒカリちゃんのことも、ぼくが守る」
「ぜったい?」
「ぜったい! ぼくはヒカリちゃんのいちばんのなかよしだもん!」
やがて彼女は、きらきらとした
少女に礼を言われ、少年は
「だいじょうぶ、ぼくたちはずーっと、ともだちだからね!」
堂々と彼が宣言したのと、冷たい夜空に花火があがったのは同時だった。
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