学校へ行来ましょう
烏丸 ノート
第1話
現実は、非情である。
中学の時俺は、イジメにあっていた。
イジメではよくある上履きを隠したり机に悪口書いたり、省かれたりする。それがあったせいで、俺は学校に行かなくなった。
元々頭はよかったため俺は登校拒否してても問題はなかった。
高校は家から、中学から遠いところにした。一応受けとけとのことで受けといた。
高校へは、もう1ヶ月行っていない。
最初は行っていただけど人付き合いが苦手な俺は逃げ出した。
勉強に関しては隣に住んでる幼なじみの朱子がノートを届けてくれてるから問題は無い。
時刻は午前7時をまわっていた。
そろそろ朱子が来る頃だろう。
思っているとしたからチャイムが聞こえてくる。
「こうくーん!学校行こー!」
行かないと分かっているのに、どうしてこうも毎日来れるのか不思議である。
窓から朱子を除き玄関の前からどくのを待つ。
「行った……な。」
行った事を確認して俺はベットへと向かう。
───がっしゃぁぁん!!───
俺の部屋に大きく鳴り響いたその音は窓が激しく割る音。
俺は目を見開いた。
──窓の方……ではなく俺の部屋の中心に立っている、血だらけの少女を──
***
俺の部屋に飛び込んできた少女は銀髪で青い、綺麗な瞳をしていた。血だらけでなければ一目惚れしていただろうな。血だらけでなければだ。
「こんにちは!」
元気に挨拶をしてくる。血だらけのまま。
「まずは窓を直してもらおうか。」
「あ……すんません。すぐなおしまぁす♡」
てへぺろと言わんばかりに舌を少しだし謝った。
「ほい」
血だらけの少女が、指をホイっとしただけで壊れた窓が直った。
「あんたなにもんだよ。返答によっちゃ警察呼ぶ。」
「あなた専属の神です♡」
は?
「今なんて言った?」
「だからあなた専属の『神』です♡」
「あ、すみません警察ですか?自分のことを神とか名の……」
「ちょぉっとぉ!?待ってくださいよ!ホントですよ見たでしょいまぁ!ひょいっとやっただけで窓なおったでしょう!?」
泣いて俺にすがりついてくる。
血がつくのでやめてください。
叫んでいる自称神とは別に孝太は自称神の首根っこを掴み玄関に捨てた。
「え、ちょっ!うそ!嘘でしょ!神を捨てるなんてちょぉっとぉ!」
なにやら玄関で騒いでる人がいるようだが気にしないでおこう。
部屋へ戻りドアを開けた瞬間
───がっしゃぁぁん!!───
窓が割る音がした。
その場に立っていたのは、さっきの自称神だった。
血だらけで。
「うぉっほぉん!ほんだぁぁぁぁあ首根っこを掴まないでぇぇえ!」
何やら言いたげだったがめんどくさいので玄関に捨てる。
部屋に戻ったら窓を割ってまた現れた。
「ちょ!なんで追い出すのよ!」
また俺は首根っこを掴もうとしたが流石にもう慣れたようで華麗に避けた、が。
ガツン
後頭部を天井にぶつける音。
(どれだけ飛ぶんだよ)
心の中で思いつつ一応気を失った自称神をベッドに寝かせる。
一応女の子だしね?頭のおかしな娘でも優しくしてあげないといけないととか思ったしね?
「んん……ん」
「やっと起きたか、おはよーさん。」
目を開けこちらを向く。
よく見たらやっぱ可愛いな。綺麗な瞳が特にね。
見つめていたら少女もふとこちらを見た。
「あっ!本題!私がここに来た理由!もう首根っこつかまないで耳の穴かっぽじいてよく聞きなさい!」
上から目線なんかイラつくな。寝かしたり血拭いてやった礼もなしかよ。
「しょうがねぇから聞いてやるよ。なんだ。」
「学校へ行……」
「断る。」
即答。
もちろんだ。行くわけがない。
自称神は震えながら泣くのを我慢している。
即答したのが悪かったかな……でも行きたくないという気持ちのが勝ってしまった。
「なんでぇ!」
「行かなくても朱子が届けてくれるノートですべて把握できるから問題ない。」
「やり方とか分かんないじゃん!」
「そこら辺は問題ない。生憎俺はそこらの奴とは脳の出来が違くてな、解き方くらい見たらわかる。だから行かなくても問題ない。未来は明るいぜ。」
「部屋は真っ暗なのに?」
うるさい。
分かってるよ。
「ほっとけ。それはいんだよ。」
「何がいいのか分からないんだけど……良しとしよう。」
「なんか上から目線だな全体的に。」
「え、だって私貴方の神だもぉん上からなの当たり前じゃあん」
微笑しながら俺に言ってくる。
この顔腹立つな。
「自称神だろ。てかなんでそんなに俺を学校へ行かせようとする。」
「え、将来が不安だからに決まってんじゃないすか。」
それがホントだとさっきの『未来は明るい』って言ったのがバカみたいで恥ずかしじゃないか。
「どーゆー感じにだよ。俺が納得できる答えを要求する。」
「分かりました。本当は72時間語りたいところですけど一言にまとめましょう。」
頬ずえを着いているようだが72時間を一言で表せれるなら72時間無駄じゃないか?と突っ込みたいところだが黙って聞くことにしよう。
「一言で俺を納得させれるのかよ。」
「はい、神の力を持ってすれば一言で方がつきます。」
「ほう、じゃあ言って見やがれ」
「言ってもしょげない?」
「しょげねぇーよ。だから早く来い。」
「ええ、分かったは、貴方がそこまで言うのなら私は止めないわ。」
「早く言えよ。どんだけ伸ばすんだよ。」
長い。言うまでが長い。とても長い。
早く言って。
「ではいきましょう。ズバリ!人間関係が全然ダメぇ!」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
無数の槍が俺の精神に刺さる。ほんとに痛いところを突かれた。
「あっれぇぇ?何を言われてもしょげないめげないドラゲナイじゃなかったんですかぁ~?」
ニヤニヤしながらこちらを見つめてくる。
うぜぇ
──ピンポーン──
チャイムがなった。朱子……かな。
久しぶりに顔を見るか。届けてくれた礼も言いたいし。
「誰ですか?私行っきましょうか?」
「いや、良いよ俺が行ってくる。お前をつまみ出すついでにな。」
「えー、また追い出すんでかぁ~何度でも窓から侵入しますよぉ~血だらけで」
さらっと恐ろしいことを言うなてか気付いてたのかよ。怖いよ……
「じゃあいいやここいろ俺が人間関係問題ないって証明してやる。」
「ふぅ~ん」
にやにやしながらこちらを見てくる(2回目)
何がそんなに楽しいんだろ。
そんな事を考えながら1階へ降り、玄関へ行く。ドアノブを握りドアを開ける。
「よお、久しぶり。」
朱子は、目を見開いて俺を見た。
「ノートサンキュな、それと色々礼とかしたいし、中入ってくれ。」
「どー致しまして!お言葉に甘えて上がらせてもらうね!」
ニコッと、澄んだ、綺麗な顔で俺を見てきてリビングの方へと歩いていった。
久しぶりに、あったな…朱子。
「人って変わるもんなんだな、1ヶ月そこらであんなに可愛くなりやがった。」
似てない俺の声真似をしながら自称神が寄ってくる。
断じていやらしい気持ちなど持ってはいないが確かに可愛いとは思った。そりゃね?俺も年頃の男子だしね?ちょっとくらいいいじゃないか。
「なんだよ。自称神。」
「だから自称じゃなくてほんとに神なの神様、分かる?」
「はぁ、はいはい分かった分かった自称神様ー。」
「呼ぶなら自称抜こ、それと一応私ちゃんと名前あるよ?」
「あんのかよ教えろよ。」
「いいよ、教えてあげ……」
「こうくん?だ、誰その娘」
あ、言うの忘れてた。
プルプルしながらこっちを見てく、ん?
「私はなかなか家に入れてくれなかったのに、その娘はいいんだ!簡単に入れちゃうんだ!べ、別に気にしてないけど!ちょっとショックだなぁ!」
「あ、どうも私は孝太の専属の神です引きこもり直しに来ましたァ名前はアリシャ=ルイリーズでーす♡」
あ、そんな名前だったんだ。
まぁどーでもいいけど。
「あ、そうなんだ、学校行かせるためだけに来たんだ。」
「はぁいそーでぇーする♡ところであなたは誰ですか?」
「私は綾森 朱子、こうくんの幼なじみだよ!」
簡単な挨拶を終えてアリシャがこちらへ寄ってくる。
「喋れる人いるんすね。」
肩に手を置き安心した感じで言ってくる。
「さっきノート届けてくれるやついるっつったろ。」
「一人喋れるなら問題ないじゃないすか。それに初めてあった私にも普通に喋れてますしね。1度学校に行ってみてください。相手の顔色なんて賢いあなたにはお見通しでしょう?めんどくさいなら適当に流しとけばいいんですよ。」
「簡単に言うけどそれが難しいんだよ、1ヶ月も行ってねぇんだしよ。」
「問題ないです。」
「どうしてそう言える。」
「今までに無い自信を感じるからです!心は私に告げている。問題ない……と。」
「あまりにも適当だな。でもまぁ今まで来たやつよりかは楽しめたよサンキュな。また俺が学校行けるようになる事覚えて出直してきな。」
「そうすか、今回は時間も限られてましたしあまり念押し出来なかったですけど、青春は今だけです。一秒一秒を無駄にしないようにして下さいね。行きたくても、行けない人外たりするんですから。現実は、非情ですよね。では、あと5分で帰らないといけない決まりなので本日は帰ります♡ちゃんと学校行ってね、バイバーイ。」
そのままシュンっとアリシャは帰っていったマジでよくわかんないけどまたいつか来るのならばその時行けばいいか。とりあえず今日1日は行ってやろう。
✲✲✲
1ヶ月後
──ばりぃぃぃいん!!──
窓が激しく割る音がした。そこには自らを神と自称する少女、アリシャが立っていた。
「さ!学校へ行きましょう!」
学校へ行来ましょう 烏丸 ノート @oishiishoyu
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