ミサイルの朝

@minato_hotaru

第1話

空に灰色の煙が立ち込め

干してある洗濯物を汚してゆく


Jアラートに掴まされた夢が

輪郭をなぞらなくて良かったと

テレビの前でスープを飲んでいる


前触れもなく飛んで来るのはきっと

虫の鳴き声や愛の言葉じゃない


ミサイルに邪魔されて届かなくなる

好きですのひと言を握り締めて


かつて平和だった時代に転がした

サイコロの目の数だけ叫ぼう


身を隠すよりも君に会いに行く

青春も平和もずっと続けば良いのに

僕等は願うことしか出来ずに


机の上のトマトスープが冷めて

何だか今日は血の味がするね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ミサイルの朝 @minato_hotaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る