Good Bye . Game
玉響詩音
オープニングは仲間の死から
女性の悲鳴があたりに響く。
どうしてこうなったのだろうか。
僕の目の前では、先ほど顔を合わせたばかりの男性が無残に切り裂かれて倒れている。
僕は落ち着いて状況を逆算をしながら整理をした。
〈状況整理開始〉
まず、僕の目の前に男性が切り裂かれ死んでいる。
その前には、確か部屋が急に暗くなった。
っと、その後に、その男性の鈍い悲鳴があったな。
次には、確かサイコロを振っていたな。
その後に何か文字が浮き出ていたんだな。
確か・・・「運命の糸は、生暖かい物に切り落され、途切れ終わる」と出てきていたな。
〈状況整理終了〉
なるほどこれはまさに絶体絶命・・・いや絶対的絶望だな。
〈数時間前〉
「暇だ」
口に出るほど店にお客が来ない
僕は、町のゲームショップを経営をしている、
なぜ暇だというのは、本当にお客が来ないからだ
正月だったり、クリスマスだったりするとお客が大勢来てくれるのだが・・・どうしたものか。
・・・今日も物置部屋あさるか
僕の最近は物置部屋をあさり、面白そうな玩具があるなら、持っていく そういうので、珍しい物が出てくるから面白いんだよな。
僕はカウンターから立ち上がり、後ろの扉に入る
だけど、何で玩具があるんだろう、と考えづつもライトを手にして入る
定期的に掃除をしているため、ほこりっぽくはない・・・一部は。
奥に進めば進むほど、どんどんほこりが多くなる。
外国の玩具、日本の玩具、何年前の玩具など、どんどん出てくる
しかし、面白そうと思う物が今日は出てきていない
なんだ、今日は面白くないなと思いながら来た道を戻る
その時、ある物に目を奪われた
それは、2個の六面さいころだった
なぜか、シンプルなサイコロなのに、手が伸びてしまったのである
もっていくか、もっていかないかと迷っていると、レジから「すみませーん」と声が聞こえた。
「はーい」と返事をし、サイコロを手にしてすぐさま戻った
閉店、一日の終わり
片付けをしているとポケットにあったサイコロに気付いた
レジに戻り、サイコロを取り出し振ってみる
コロコロ転がったサイコロが出た目が1のゾロ目だった
その一瞬、目の前が暗くなり、その場に倒れこんだ
「ん・・・・ん?寝ちゃったのか?」
僕は上半身を起こし、目をこすり視界を確かにした
そこは、僕のいつもの部屋であった
ベットから降り、立ち上がると何かが違うことに気付いた
その何かを探すと、窓が眼に入った
何が違うんだと、窓の外を見ようとしてカーテンを開けるとその、何かがよくわかった
「空が・・・赤い?」
それと同時に日の動きがとても速い
太陽が昇ったと思ったら五秒後には月が昇っている
これは、異変だな
外に出るために部屋のドアから飛び出した
そこは、いつもの場所ではなかった
部屋を見回すと、だいたいの部屋の大きさがキッチンとリビングが合わさった、とても広く、二十畳はあるだろう
その部屋の真ん中には、男女二人ずついた
「あ、やっと起きた!」
こっちを見ながら、そんなことを言う
「おはよう、目覚めは・・・悪いよな」
二十代の男性が笑いながら言った
「えっと、ここは何処なんでしょうか」
と、言ったその時に何やらアナウンスが入った
『お、皆さんやっとそろいましたね。こんにちは、マスターと申します』
電子のような声が、部屋全体にひびきわたる
「マスター?」
まず、その単語に反応した
『ハイ、マスターですよ』
そう、軽く返答をしてきた
実際にここの声が聞こえるとなると、不気味である
『まあ、とりあえず私の事は置いておいて、皆さんで自己紹介し合って下さいよ。』
なんだか腑に落ちないが確かにそうだ、他人の事なんてわからない
「じゃあ、俺からだな」
(紹介は、別話でやります)
烏魔琳太郎さんに佐藤 誠 さん、北野春さんに金色琴音さんね・・・
『はーい、終わりましたね』
自己紹介を終わったのを見計らって出てきた、マスターと呼ばれる謎のアナウンスがかかった
『では皆さん、部屋の中央にあるテーブルに移動をお願いします』
その命令に従ってみんなが移動をした
テーブルの上には、双六があった
そこには、倉庫で見つけた二つのサイコロが置いてあった
『今からあなたたちには、双六をやって、ゴールを目指して欲しいと思います。』
双六か・・・なんでだろう
『そう、考える前に、ためしに・・・誠さん、サイコロを振ってみてください。』
「お、おれか。ソイヤー」
ソイヤー・・・とみんなが思った後には、2と3の目が出た
誠さんに、対応しているとみられる、駒が、自動的に動いた
「わっ、すごいね、自動だ」
5マス目についた駒は止まり、文字が浮き出てきた
「何々・・・『運命の糸は、生暖かい物に切り落され、途切れ終わる』・・・か」
そう、読んだその後に急に部屋が暗闇に包まれた
数秒後に誠さんと思われる、声が悲鳴を上げた
数十秒立っただろうか、部屋が明るくなった
視界が鮮明にならない中、春さんが悲鳴を上げた
最悪な事態が起きた
誠さんの体が無残に切り裂かれている
それは、まるで獣に食いちぎられたかのような
『あらら、死んじゃいましたか』
そうあっけらかんというマスターに琴音さんが言い返した
「あららじゃないわよ‼どういうことよこれ!」
「そうだ!なんでこうなっているんだ!」
二人がそう言い返すと、マスターが返答をした
『あれ、言ってませんでしたっけ。これは、双六でも、生死をかけた幻想双六ですよ』
幻想双六・・・聞いたことのあるゲームだ
途中でやめることは許されない、ゴールするまで悪夢は続くゲームだ
その双六は焼却処分されたって言われたのにどうしてここに・・・
『じゃあ、明日から、始めましょう。
Good Bye . Game 玉響詩音 @tamayurasion
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