第7話

僕の名前は憤上悦也(ふんがみえつや)といいます。


僕は、友達を大事にする人間です。


それから、どうでもいい人間を、この世から消すことが趣味です。


さっき、オンボロワゴンの中で、眠っていたおじいさんと、おばさんを空介くんが殴って気絶させました。


今から、ドラム缶の中に、重クロム酸ソーダと水、そこに96%の濃硫酸を混ぜた溶液を入れます。


どぶどぶどぶどぶ・・・


できました!


空き地にカエルがちょうどいたので、つかまえて濃硫酸に放り込んでみます。


「ゲクッ」


と僕の手の中で鳴いたカエルが、濃硫酸に投げ込んだら

「シュッ」

と音を立てて、消えました。



そうそう数年前、幹次もこうやって、溶かしました。


幹次くんは、真子さんが引っ越して、それからこの産婦人科病院跡地で、首を吊って、

植物人間になると、ひどく落ち込んで学校にこなくなりました。


それからは真っ逆さまの転落人生です。

わかりやすく、ヤンキーになって、わかりやすくチンピラに出世して、わかりやすくヤクザのしたっぱになり、わかりやすくゴタゴタにまきこまれて、全身銃弾を受けて、死にかけになって僕と空介くんのところにやってきました。


「俺の死体がみつかると、抗争に発展しちまう。

ヤばいんだよ。

悦也、お前の知恵で何とかしてくれ!」


というので、空介くんと二人でなんとかしてあげました。


きっと幹次くんのようなしたっぱ中のしたっぱ、カスのような人間の死体が見つかっても

どうということはなかったと思うんですが、幹次くんの妄想というか、プライドの話なんでしょう、きっと。


濃硫酸で幹次くんは綺麗に溶けて、僕はそのあとドラム缶から出てきた、5つの弾丸を

みつけて、大事に持っています。


人を殺した弾はとてもきれいだと思います。



それから、僕は空介くんを誘って、いろいろ世の中のいらない人を、

殺して、硫酸で溶かしたり、ガソリンで燃やしたりしました。


まだ、やったことはありませんが、最近はエコに関心があるので、

遺体をアルカリ加水処理してみたいと思っています。

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