吹奏楽部〜仲間 夢〜

海街真衣

第1話

私に深くゆかりのある吹奏楽に絡めて、書かせていただきます。

私は中学の3年間、吹奏楽部にてフルートを演奏させて頂いていました。

吹奏楽部は、脇から見れば「青春」という文字が頭に真っ先に浮かんでくると思います。

部内恋愛…コンクール…なにより仲間との絆!

私もそうでしたが、吹奏楽部に夢を持つ方も少なくないと思います。

最近は高校や中学の強豪吹奏楽部に密着、取材をして、本を出している方もいます。

そういった所から、吹奏楽部について情報を吸収しているのではないでしょうか。

ですが、そんなに吹奏楽部は夢の溢れる事ばかりではありません。

特に人間関係。

実力に対する嫉妬や妬み、それに乗じて陰口。

理不尽が多いです。本当に。

普通に考えれば実力が劣っているのは、手前が練習をしていながらでしょう。

でもそれを棚に上げて嫉妬をする人がいる。妬む人もいる。

でもその人たちは直接練習の邪魔をするなど粋なことはしません。

陰で言われる本人には気付かれず、妬みは広がるのです。

それ以外にも、部の仕切り役の幹部以外の誰かが指示を出すと、「しゃしゃり出るな」、「偉そうに」と裏でホイホイ理不尽に愚痴が出てくるのです。

今思えばバカバカしすぎて憤ることも出来ません。(笑)

「〜ちゃんが〜さんのこと〜っていってた。」

これが噂になり、部に広まり、本人に伝わります。

理不尽に自分の愚痴を言われていることを知ったらイラッとしない人はいないでしょう。

そして翌日から

「〜と〜がケンカしてるみたい」

となるのです。

正直中学、高校生の女子のケンカなんて表に出ません。怖いですねぇ(笑)

私はケンカについては勝手にどうぞな人だったので気付いたら収まっていました。

こういった小規模ないさかいがかなりの頻度で起きています。

それにこれはかなり理不尽ですが、親の介入です。

例えばAさんが顧問の先生に怒られたとします。

Aさん自身は自分のミスを理解したし、理不尽に怒られたわけではなく、理にかなっているので、悪く思ってはいませんでした。

そして帰宅し、今日あったことを話すのです。

「今日こういうことがあって怒られたんだー。」

Aさんにとっては別にどうと言ったことのない報告ですが、何故か親は過剰に受け取るのです。

翌日、Aさんも知るはずもなく、親が学校に乗り込んでくるのです。怖い怖い…。

「ウチのAに何してくれたんですか!?」

もちろん顧問は頭を下げるしか突破口はありません。

口答えなんてとんでもないことになってしまいます。

一部始終を見ている部員から見れば、Aが親泣きついた。

としか思えません。

自然と矛先はAに向くのです。

嫌ですねぇ。こんなこと。

子供を大切に思うのは大切な事ですが、行き過ぎると思わぬ所でトラブルになる。

子を持つのであれば、自分の行動を見直さなければいけませんね。

こんなふうに吹奏楽部は比率的に女子の方が多いですから、陰湿なトラブルがよく起こります。

ぶっちゃけみんなの前で怒鳴りあってくれた方が何倍も楽ですね。(笑)

同輩だけに関わらず、出来の悪い後輩の愚痴を言ってみたり。

これがもっとも理にかなっていないと思います。

誰が見ても努力をしていないようであれば、直接後輩に注意して上げるのが当たり前です。

逆に「教えてあげなよ」と言ってあげると時間の無駄、とかやだ、とか。(笑)

稚拙です。実に稚拙です。

その上後輩は先輩に聞いてくるのか当たり前だ。盲信している人もいます。

確かにその意見も一理あります。

しかし世の中肉食系の人ばかりではありません。

声をかけにくい時だってありますし、先輩自身感じ悪くしているのかも知れません。

もっとも正論っぽいものは、「僕私は専門的な勉強をしていないから。」

でしょうね。(笑)としか言えません。

上のものを、まとめると、「教えるのがめんどくさい。」とか「あの後輩苦手。」ということです。例外ももちろんあるとは思います。

でも私達は人です。

親虎が生まれたての小虎を大きな穴にぶん投げるのとはわけが違います。

教えてあげなければどんなに強く怒っても、願っても、よっぽどのセンスがなければ成長するわけがありません。

もしこれを読んでいただいている吹奏楽部の皆さんにはこんな行動をとっていないか、是非振り返ってみてください。

吹奏楽部、大変そうでしょう?(笑)

仲のいい吹奏楽部だって沢山ありますけど、体力的に辛いこともあるので、入部を検討している方は体調を第1に音楽を楽しみ、仲間と切磋琢磨してほしいです。

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私は吹奏楽部に入って最も大切にして欲しいものは、「謙虚な心」と「感謝の心」です。

聞こえがいいですね。(笑)

これは吹奏楽部だけでなく、人生のあらゆる場面で重要だと思います。

私は数人の嫌いな吹奏楽部の顧問の先生がいます。

その中のひとつ、そこは強豪で最近全国大会に名を馳せました。

確かに演奏も、技術的には上手、周りからは羨望の目で見られるような学校です。

でも私はそこの顧問の先生が嫌いです。

理由としては、謙虚な心がないからです。

全国大会に行くことはすごい事です。

誇れることです。

でも結果頑張り抜いたのは部員です。

それを差し置いて一概に私のおかげ、と言うのはどうなのだろう、とずっと思っています。

一般論として出来のいい顧問が入ればその学校の吹奏楽部は強くなるというものがありますが、気に食わないです。

他の部活は強くなることも否定されているように聞こえます。

でも実際それは現実になっていて、それが私にとって何より悲しいな。と思うものです。

三出制度、という全ての吹奏楽部が上の大会へ行けるチャンスがあるようにと作られた制度も、無くなってしまいました。

コンクールの全国大会はほぼ出る学校は同じ。

たまーにちらほら変わるだけ。

お客さんからすれば、優れた演奏を聴けるからどうといったことはないですが、優れた結果を残さなかった学校も、いることを、絶対に忘れないで頂きたいです。

それと同時に、支えてくれた両親や親族の方、仲間や顧問の先生に感謝することを決してわすれてはいけません。

感謝は人として当たり前のようにすることです。

無機質の「ありがとう。」より心のこもった「どうも。」の方がよほど相手に届くと思います。

是非心のこもった本当の感謝をしてみて下さい。

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私は既に学生としての吹奏楽は終え、今は独奏や社会人との演奏など、あらゆることを体験させて頂いています。

今でも充分楽しいのに、またあのメンバーで曲を吹きたいな。と思うこともしょっちゅうです。

私はある本を読んで友達に対する、出会いに対する価値観が大きく変わりました。

「私達は選択して今ここにいる。」

「生きるということは誰かと接すること。」

間違えているかも知れませんが、読んだことある人はあ!と思うはずです。(笑)

私の友達にM君という子がいます。

私はMと、ポケモンの話で盛り上がり、小学2年から今までを過ごしてきました。

私とMがポケモンをやることを選んでいたから、私とMが話すことを選んだから、いつまでも仲良くいられました。

次に中学1年で出会うS君。

初めて会ったとき、私はあまりいい印象を彼に向けませんでした。

吹奏楽部なのに坊主だし、元野球部だし(笑)

その頃は私も幼かったですから、偏見で見てしまった部分もありました。

そんな時、Sくんは私のことを名前ではなく、あだ名で呼んでくれたのです。

まだ話したこともないのに、笑顔で。

それからは2人とずっといました。

楽しい時も泣きたい時も、誰か1人が膝をついたら2人が肩を支える。

そんな関係になれました。

私が生涯仲良くしたいたいと心から願う2人です。

私は2人を初め、14人の同輩と、後輩、先輩達、親や私と接してくれた人達によって出来ています。

私をはたいてくれるから、方を叩いてくれるから私の体が存在します。

本当に素晴らしい仲間達に恵まれました。

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吹奏楽部での数多の経験を経て、泣いたり笑ったりして初めて、素晴らしい人達と出会えます。

嫉妬や妬みはもちろんありました。

でもそれを真摯に受け止め、ぶつかって行けば必ず切っても切れない仲になれます。

吹奏楽部は人間関係についてはもっとも難しい。本当に難しい。

でもそれを乗り越えた見返りは今までの苦労を覆すほど、いいものが得ることができます。

どうか皆さんにも、素晴らしい人、経験を選び取り、両手いっぱいに命を燃やしてください。

海街 真衣

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吹奏楽部〜仲間 夢〜 海街真衣 @mai1114

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