恋は戦争、実れば満開の花

 失っていた気持ちが再び芽生える。それはまるで欠けていたピースを見つけたかのように。

 ずっと目を瞑り、蓋をしていた思いは胸が張り裂けそうなほど心から溢れる。

 お洒落して可愛くなって振り向いてほしい。叶わないというのにどこかで期待している自分がいた。


「馬鹿」


 それは相手にかそれとも、自分にか。

 涙の世界で一人ぼっち。


「愛しているなんて甘い言葉を吐いて見せて?」


 たとえ嘘でも私は舞い上がってしまうわ。少しでも気をまぎわらせるために強がった。

 恋は戦争、実れば満開の花。


 悲劇のジュリエットのように演じてみてもあの人は私を見てくれない。

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