第弐話 オレ、人間喰ウッ!
『──で、我のところへ来たという訳か』
空間に天地の区別が無く、遠方に星が
『生身の人間が次元を越える、というのは並大抵なことでは無い。少々考えが浅はかでは無かったか?』
「耳が痛い話だ、だが反省はしていない。…それより力を貸して欲しい、どうせ今は暇なのだろう?」
要約すると他のキャラをエントリーさせるから一緒に考えてくれ、ということだ。性懲り無い、というのはこういう事を言うのだろう。やれやれと思いながら比紗瑚は手をかざす。どこからともなく巨大な植物が生え無数の
比紗瑚は帳面を取り出すとパラパラめくり始めた。
『…成る程、強者が揃いも揃っておる。あの巫女を出す訳にはいかんのか?』
「ネタバレになる恐れがある。無理だな」
『ねたばれ??? どういう意味だ? …まぁよい。となると他の者か……ふむ』
この木林という者、面倒な奴だ。しかし創造主でもあるが為に逆らえる訳も無し。パンパンと拍手をすると植物の
『
「流石だな……せっかくだから、こっちのでかい方を選ぶぞ。こういう場合昔話ではでかい方が危険だと相場が決まっているからな」
木林が干瓢に手を伸ばした瞬間のことであった、リアルでT県に地響きが起こったのである。
『まて、仮にも己の創造物を異界へ送るのだぞ? わかっていると思うが…』
「十分わかっている! 大丈夫だ、問題ない!」
どこかで聞いたような言葉を口にする木林、一度掴まれた腕を離された。
「よっしゃあ! こいつさえ貰えればもう用は無ぇっ!!」
凄い速さで干瓢をひったくりその姿は消えた! 呆気にとられる比紗瑚だったが、これだから人間は、と諦め再び眠りにつくのだった。
──1700年某日、日ノ本ケノ国。
──そして異界、最強トーナメント会場。
大会の催されるドームの外では異臭騒ぎが起きていた。
ズシン… ズシン…
鳴り響く地響き、揺れる大地。見物に来たであろう観客たちはその大きすぎる影に思わず天を見上げた。
そこには下を見下ろす異形の姿が!
観客には目もくれず、巨人は目の前のドーム目指し進んでいく。逃げ惑う者の中で唯一逃げない女性の姿が! このままでは危ない!
「参加希望の方ですか? こちらに必要事項を記入ください」
ドシャッ!!
チラリと見た巨人は女性の目の前にあった机に手をついたのだ!
参加記入用紙の置かれていた机は無残な姿となる。
「確認できました、ごゆっくりどうぞ」
女性が丁寧に頭を下げたのを見て、再び巨人はドームへと歩み始める。まさか人間の集まる会場を粉砕し、根こそぎ喰らうつもりなのか!?
ゴゴゴゴ………
バタン
巨人は普通に扉を開け、中に入って行った。
一体今のは何だったのだろうか、よくわからないが始まればわかることだろう。
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