♡夏のJKをお兄ちゃんが蹂躙地獄♡

奈名瀬

ーお兄ちゃんはJKが嫌いだー

 私のお兄ちゃんは蚊が嫌いだ。


「いいかい、ふみ? 蚊はこの世で最も憎むべき存在だ。そして、奴らを生き物だと思っちゃいけないよ? 生き物は死ねば輪廻転生してしまう。でも、僕は蚊を輪廻転生の枠の外へ追いやりたい。それくらい奴らの存在が許せないんだ。だから奴らを殺す時は、生きていたと言う事実を消し去るつもりで存在を抹消してやらなきゃいけない……わかるね?」


 わからなかった。

 でも。


「ウン、ワカッタ。ワタシ、ガンバルネ」


 お兄ちゃんはかわいそうな人なので、私はとてもとても自然に頷いて見せた。


 これはまだ、お兄ちゃんが中学生になる前の話だ。




 そして――中学三年の夏、お兄ちゃんは変わってしまった。 


「なあ、文……知ってるか?」

「どうしたの?」

「蚊ってさ、矮小な存在の分際で人間様の血を吸うだろ?」


 その時は――


 また蚊の話か。


 ――そう思って、私はお兄ちゃんの話を聞き流す気でいた。


 でも。


「血を吸う蚊ってさ……全部メスなんだって。あいつら、オスとヤッた後に、お腹の中のこども育てるために、血を吸うんだってさ」


 そう語ったお兄ちゃんの目に、ギラリとした得体のしれない情動を垣間見て、私は寒気がした。


 今思えば、この日が始まりだったのかもしれない。

 たぶんこの日から、お兄ちゃんの蚊に対する想いと……その殺し方が変わった。



「お兄ちゃん……? なに、してるの?」


 その日、お兄ちゃんは部屋の中で乾いたタオルを振り回していた。


「ああ。これか……よっと――」


 私に答えながらお兄ちゃんはタオルを振り……かと思えばピタリとやめる。

 その後、畳に上に視線を落とし、急に屈んだかと思えば何かをつまんで私に見せた。


「ひっ――」


 それは――


「蚊だよ」


 ――蚊だった。


「こうやってタオルにぶつけて叩き落すとさ、あいつら生きたまま潰れず床に落ちるんだ」


「そ、それ……どうする気なの?」


 ごくりと生唾を飲み込み、兄の返答を待った。

 すると。


「もちろん……殺すよ?」


 にたりと笑いながら、兄は愉快たのしそうに答え。


「そうだ。文も来いよ。まだ一緒に蚊で遊んだことないもんな」


 あろうことか、その行為に私を誘ったのである。

 それから、兄は蚊をつまんでいない方の手で私の腕を取り、私達私と蚊を、自分の部屋へと無理やり連れ込んだ。



 兄は自分の部屋に入るなり、真白いシーツを敷いた机の上に蚊を投げつける。

 そして、ソーイングセットの中から一本の針を取り出し――


「ヒャハァッ!」


 ――それを、思い切り蚊の羽に突き刺した!

 その瞬間、今まで気を失ったように動かなかった蚊がビクンと跳ねた。


「オラッ! どうした怖いのか? あっ? 自分から人間様のドロドロ白血球血液吸いにきといてよぉ、飛べなくなりそうになった途端このざまかよっ! もっと必死に羽振れや! そんなんじゃ逃げられねぇぞ! このクソJ邪魔なKがあっ!」


「ひっ――」


 兄は固い針棒を蚊に刺し込むなり豹変してしまった。

 彼は蚊に構うことなく、針先をぐりぐりと羽に押し当てゲスな顔を浮かべる。

 蚊が異物から逃れるため、小さな体躯を痙攣したようにバタつかせると、兄は満足そうに口元を緩めた。


「へへ……なあ、お前ら血を吸う奴はみんなメスなんだろ? お前もよぉ、俺の周りをぷんぷんぷんぷん飛び回ってくれちゃってさぁ。ほしかったんだろ? ドロドロに熱い俺のフェーFe-血清鉄-汁ほしくて堪らなかったんだろ! じゃあさ、フェーFe汁ほしくてうろついてたってことは、お前もメスだよなぁ! 男な訳ないもんなぁっ!」


 兄は一人、狂ったように猛りながら蚊に口汚い言葉を浴びせていく。

 私はただ、ひどい言葉を浴びせられ、蚊が蹂躙されていく様子を……黙って見ていることしかできなかった。


「お前も最初からその気だったんだろっ! 俺のフェーFe汁をその長らしい口でじゅぼじゅぼ吸いたくて吸いたくて堪らなかったんだろ! なんとか言えよ! この子育て吸血メスビッチモスキートが!」


 もはやプンともブンとも鳴けない蚊に対して痺れを切らしたのだろう。

 兄は絶叫しながら、蚊の細い羽を手に持つ針で引き裂いた!


「――ッ」


 直後、音もなく羽を千切られた蚊は残った羽をバタつかせる。

 飛んで逃げようとしているんだろう。

 でも、片羽ではもう、飛ぶこともできない。

 しかし、その蚊は――羽をもがれたことを知らないみたいに、一生懸命羽を動かしていた。


 その様子を見て、兄は嗤う。


「あひゅ――ふへっ♡ あーあ♪ 羽、千切れちゃったねぇ。痛かった? 痛かったかなぁ。でもね、君が悪いんだよ? その羽でいつもいつもぷんぷんぷんぷんうるさいのがいけないんだ。その羽のせいで僕、うるさくて眠れなかったこともあるんだからね。睡眠不足はいけないんだぁぞ♡」


 兄の顔は、どこか嗜虐的だった。

 残酷な行為に似合う、嗜虐的な顔。

 でも、何か違和感があった。


 例えば今、兄の顔と、アリを殺すこどもの顔を比べれば、その違いは明らかになるだろう。


 兄の顔には、色があった。

 彼の嗜虐的な表情には、明らかな色欲があったのだ!


 そう――兄は今、蚊を……一匹のメスとして見ていた。

 蚊をイジメる対象として楽しんでいた!


 この事実に気付いた時、私は悪寒がした。


 蚊への恨みが深すぎるあまり、憎むべき対象――血を吸う蚊にはメスしかいないという情報を得たせいで、多感である思春期の兄は、歪んだ欲情を抱いてしまったのだ!

 深すぎる憎しみをが嗜虐に満ちた色欲へと変質してしまったのだ!


「お兄ちゃん!」


 私は、震える声で兄を呼んだ。


「もうやめてあげてよ! 蚊が、蚊がかわいそうだよ!」


 兄に、元に戻ってほしかったから――でも。


「じゃあ、お前が代わるか?」

「へっ……?」


 兄は、私に行為を強要した。


「ほら、かわいそうなんだろ? じゃあ、お前が俺の代りに蚊を楽にしてやれよ。ほら、できなきゃもっとひどいことするぜ?」


 そう言って、兄は私に針を渡す。


「さあ、それでお前が羽をむしるんだ」

「そ……そんなっ――そんなひどいことわたしできないよ!」

「はぁ」


 兄は、深い溜息を吐いた。


「だったら、俺がやるしかねぇなぁ」

「――っ!」


 そして、兄はソーイングセットの中からとりわけ太い針を出した。

 あんな太い針でヤられた、蚊はただでは済まない。

 私はゾッとした悪寒を覚えながら、声を張り上げた。


「ま、待って!」


 兄は、ゆっくりと私に振り返る。


「私、やるからぁ……わたし、がんばる、からぁ―—」


 必死に涙を堪えながら、兄に応える。

 すると。


「えらいなぁ、文は」


 兄は、にこりと笑った。


「お、お兄ちゃ――」


「でも、ダメ」


 にこりと笑ったのに、あの太い針棒を――残った蚊の羽に突き刺し、無残にそれを引き裂いた。


「はい! 快楽殺虫羽がちぎれた~♪」

「い、いやああああああああああああああっ」


 その後、兄はくるりと振り返り、優しく私に告げた。


「もういいよ文。後はお兄ちゃんがヤるから、文はそこで見てな」


 私に椅子を差し出し座らせると、兄はまた蚊に向き直る。


「はぁ、はぁ……あはは。もう飛べなくなっちゃったね。でもね、君が悪いんだよ? その羽がうるさいから……って、これはさっきも言ったね?」


 兄は一人呟くと、蚊に向かって自身の右腕の甲を見せつけた。


「ほら見てよ。ここ、赤く膨らんでるだろ? これね、この前君の仲間に血を吸われてこうなっちゃったんだ。その時のもね? やっぱりぷんぷんうるさかったよ? あのさ、僕は別に血を吸われるのが嫌で君達を嫌うんじゃないんだ。君達だって、お腹の赤ちゃん育てたい一心だよね? 栄養いっぱいのドロドロ人間白血球血液ほしいんでしょ? ならさ、ちゃんとお願いしないとだよね?」


 でも、

 兄は、それを知った上で……また笑った。


「そっかぁ……言えないよね。じゃあさ――その口、いらないね」


 蚊の口針に自らの針棒を押し当て――兄は、ブツリとソレを両断した。

 これまでにない程、蚊の体が痙攣したようにびくびくと動く!


「あー……千切れちゃったぁ♪」


 その様子を見て、兄はケラケラと声を出して嗤った。


「あっついドロドロフェーFe汁大好きJ邪魔なKの、ほっそいちゅるちゅるストロー、千切れっちゃたねぇ♡」


 もう、あの蚊は飛ぶことも血を吸うこともできない。

 当然、お腹のこどもを育てることもできないだろう。

 そんな蚊を前にしてなお――


「じゃあ、そろそろ本番しよっか?」


 ――兄は、容赦しなかった。


「ま、まだするの?」


 私が問うと、兄は蚊の腹を指差して答える。


「当り前だろ? ここまできて本番し殺さない訳ないじゃん」


 そう言って、兄は太く硬い針棒を蚊に見せつけるように近づけた。


「見て見てモスキートちゃん。今からこのガッチガチ針棒が、君のお腹の中に入るからねぇ♡ ぶっとい針で、モス子ちゃんのシマシマJ邪魔なKタマゴ部屋、貫いちゃうね♪」


 直後、兄は蚊の腹と同じぐらいの太さがある針を、彼女の腹にあてがった。

 もし、あんなものを突っ込まれたら、蚊のお腹は簡単につぶされてしまうだろう。


 やめさせなきゃ!


 私は、そう思った。

 そう、思ったのに――。


「お兄ちゃん、もう――」


 ――やめてと言おうとした瞬間。


 ブスリッ!


「はい! 腹を針棒で圧殺はいったぁ~♪」


 兄は、既に行為を終えていた。


「あ……あぁ……っ」


 しかし、嗤っていた筈の兄は、蚊の腹から流れ出た破蚊の血を見るなり、急に冷めた声を出す。


「なんだ。やっぱり血、吸ってたんじゃ処女じゃねーじゃねーか」


 吐き捨てるようなセリフ。

 だが、もうそれを彼女——蚊が聞くことはない……。


(ごめん……ごめんね。たすけてあげられなくて、ごめん)


 私は、心の中で彼女に謝りながら、もうこの行為が終わったのだと安堵していた。


「ねぇ、お兄ちゃん? もう、終わったんだよね?」


 だが――


「えっ? まだだよ?」


 ――兄はまた、どこからか数匹のJ邪魔なKを取り出した。


「一回で終わる訳ないだろ? お前には、今からこいつら全員の相手をしてもらうからな」


「そ、そんな……もう、はやく……おわってよぉっ――」


 その後、私は兄と何度も何度も朝まで蚊をヤリまくった。 

 3匹目からはもう、覚えていない……。

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