記憶

寝ているのか起きているのかわからない、不思議な感覚。

たくさんの景色やそれの意味が言葉ではなく知識として流れてくる。

まるで走馬灯のような死に際に見るようなそれが、延々と終わらない。


あまりにも膨大な知識に、脳が処理できていないのが肌でわかる。

今まで経験のない説明の難しい感覚が心地いい。


知らないはずなのに知ってた。

知ってたはずなのに知らなかった。

真実と虚構が色で見える。

真実は緑。ウソは青。

全てはイメージ。


狂ってしまったのだろうか。


部屋の中にいるのに外の景色がわかる。

子供の頃から変わらない森に囲まれた街。

森で隠された瓦礫に集中すると天を突き刺すような高い建物が並び、大量の人がキラキラと行き交う。

人ってこんなに居たんだ…。


やっぱりウワサは本当だった。

人類の殆どはXMSにより発狂し、独自の営みを始め、結果、組織に狩られていった。

その組織はRESISTANCEと呼ばれていた…。


今みている、この景色や知識はXMSに感染しちゃったからなのかな。


親父は……どこ…?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る