第44話 謎の地で

ごとごととねぐらが動いて、謎の地に着いた。ねぐらごと降ろされたようだ。


「犬は!?」

「いぬ!!」


むっつ、ねぐらの奥にいるおれを見つけようと目が光る。いぬとはなんの事だろう。とりあえずはやくねぇちゃん来てくれないかな。

少しして、後ろからねえちゃんの声がする。

「ふぅーやっと着いたぁーー」

「ねぇ開けていい? 開けていい?」

むっつの目はどうやらねぐらの扉を開けて欲しいらしい。

「はいはい開けるね。ほれ」

扉が開いた。ふぅーおれもやっと自由だぜ。外に出てぶるぶると体を震わせる。まわりにはたくさんの人間がいた。


「結構小さいね」

「カワイイ!」

「おとなしそう」


おれを見て、口々にみんなが言う。小さいのとカワイイは合ってるぞ。まわりをよく見ると、ここは広い部屋で、みんなテーブルを囲んで座ってる。みんながおれを見てるんだ。おれ、注目の的だな。そして不思議なことに、この謎の地も、ここにいる知らないはずの人間も、少しだけどねぇちゃんのにおいがするんだ。謎だけど、危険なところではないのだろう。もう少し部屋を回ってにおいを嗅いで、探索をしよう。……と、思ったら。


爛々と目を輝かせた小さい人間がおれの前に現れた。

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