第26話 1週間前

痛い。

お腹痛い。


だけど、弱ってるとこは見せない。弱味を見せると死ぬことだってある。

だから隠す。良くなるまで。


ねぇちゃんも気づいてないから普通に、普通に……。



おっ、ねぇちゃんがごはんの用意してる!

ごはん!ごはん!


「よし!食べていーよ」


ごはん!ごはん。ごは……

だめだ。今日はもう食べない方がいい。これ以上は体に悪い。


体が無理って言ったらそれに従うものだ。なぜってそうすることが1番だって、わかってるんだなんとなく。

何が体に良いか悪いか、自然のものなら教えられなくてもわかるだろ?

他の生き物はみんなそうしてるもんな。

人間の作ったものは、良いか悪いかわかんないんだけど。


ねぇちゃんはたまに、ごはんを腹いっぱい食べて、次の日唸ってる。たまにうーって言ってるけど、体の言うこと聞いてやめときゃ良いのに。

ちょっとアホだと思う。


「どうしたシロ?残ってるよごはん」


ねぇちゃん今日はいいんだ。

気にすんな。

こういう日もあるから。

そっとしといてくれ。な。


……う。ちょっと、お腹が……。

ト、トイレ……!!


「シロ!?トイレの間隔短いし、ゆるゆるだよ……。すぐ病院いこ!」


あぁ……バレちまった。



「気温の変化で体調崩す事もあるんだね……。気がついてよかった。

薬飲んで、ゆっくり休んで。シロ」



俺は大丈夫だぞねぇちゃん。すぐに良くなるさ。


だからそんな顔すんな。

な、ねぇちゃん。

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