第25話 ナンパ

今日はいつものお散歩コースだ。


道にシマシマが書いてあるところを通って家に帰るぜ。


いつもシマシマの前でねぇちゃんは立ち止まる。俺も後ろでピタっと止まる。もう慣れたもんだ。

ここでねぇちゃんがよしって言うまで待つんだ。四角いでかいカタマリが、ビュンビュン走ってるからな。歩き出すタイミングはねぇちゃんにお任せだ。ねぇちゃんの判断は間違いない。


見てると、ほかの人間も立ち止まってるんだよな。人間は、みんなで同じようにするのが好きなのな。

ん?視線を感じる。斜め後ろだ。


「カワイイねぇ」

おぅおばちゃん!俺のこと知ってんのか?遊ぶか?それとも撫でるか?

俺はシロだ!こっちはねぇちゃん。

撫でるか?撫でていいぞ!

「うふふ。かわいい!」

どうしたおばちゃん?撫でないのか?そうだ、こういう時はきちんとしないとな!

(オスワリッ)

おばちゃんどうだ?俺は礼儀のわかる"カワイイ"だぞ!

ほら、撫でていいんだぞ!


(ん?……シロ、また知らないおばちゃんにしっぽ振ってる)

「あのー飼い主さん、この子撫でてもいいですか?」

「いいですよー。どうぞどうぞ」

なんだねぇちゃんを気にしてたのか?いいのにいいのにそんなこと!

やっと撫でてくれたぜ!おばちゃんの手、あったかい!あったかい!

「信号変わった。行くよシロ」



よーしおばちゃん、俺と一緒にシマシマ渡ろうぜ!!

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