黙ると死ぬベルト「エンゲージ・プリーズ」
重力加速度と空気抵抗を身に纏いながら、
落下しながら
何人もの男性に告白されたこと。
ナンパされたこと。
子供の頃、パパのお嫁さんになると無邪気に言ったこと。
魔法少女の真似事をしたこと。
初潮を迎えた時のこと。
初めて化粧をした時のこと。
そして、
2人で映画を見たこと。
2人でデートしたこと。
キスしたこと。
どれもこれも全て、
だがそれは全て、
しかし、
本当は男。
つまり、
偽りの過去。
残酷な現実。
暗黒の未来。
あと数秒、少しだけ我慢すれば、全てが終わる。
「させるかぁ!!」
――トメル! ハネル! ハラウ! レッツ、カキトリ!!――
フェンスを突き破り、建物の壁を蹴って勢いよく落下して、
モジシャンの瞬発力とスピード、壁を蹴った脚力ならば、自由落下する
「キーメイス!!」
彼はキーメイスを病院の壁に突き刺す。
ガリガリガリとキーメイスは壁を削りながら、2人の落下速度を殺していく。
「はぁはぁ、セーフっと」
自分を助けた
「バカ
地面の土を掴み、それを投げつけた。男性ボイスになった声を聞かれないように、片方の手で口を押さえながら。
何度も何度も土を投げつける
「なんで助けたのよ!」
「……目の前で死にそうな人がいたら助けるの人情、まして俺はモジシャンだ。助けないわけにはいかない」
「ふざけないで!!」
今までは土ばかりだったが、
「私の気持ちが分かる!? 女の子として生きてきたのに、本当は男だったなんて言われた気持ちが、絶望が! ただの人間のあんたに分かる!?」
「……そうだな。分かりっこない、想像もできない」
「だったらもうほっといてよ!! 私は死にたいの!」
「あ」
興奮していた
「……今までの私の身体は、
冷たい雨粒が2人を濡らす。
「……私、怖いの。どんどん男になっていく自分の身体が。男として生きていかなきゃいけないこれからの人生が。怖いの」
「……ねえ
それは
今の
「やだ。
「なんで、なんで」
「乃々が俺の愛する人だから」
彼の今の言葉に嘘偽りは無い。
それは
「本当はさ、7月7日にあのレストランで言うつもりだったんだ。でも俺が遅刻したせいで
突然
「それで、次の日に喫茶店で言おうと思ったんだけど。
「……?」
「その後も、
「で、なんでもない日に言うのもあれだと思ったからさ。だったらいっそ9月まで待つことにした。9日の
「何を……」
「
「俺と結婚してくれ」
それは指輪。エンゲージリング。
しかもこれはただの結婚指輪ではない。
この指輪はあの日、7月7日に、
指輪を見た
「でも私、男なんだよ?」
「だからどうした」
「男同士は結婚できないんだよ?」
「同性婚が認められている国に移住すればいい」
「おっぱいも無くなるんだよ?」
「俺は貧乳派だから問題ない」
「そのうち、ちんちんも生えてくるよ?」
「ふたなりや男の娘は嫌いじゃない」
「でも」
「
何か言おうとする
「御託はもういい。プロポーズの返事を、聞かせてくれ」
今1度、
「ふ、不束者ですが。よろしくお願いします」
指輪を受け取る
だがこれは悲しみの涙ではない。その証拠に空はすっかり穏やかになっていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
登場人物情報が更新されました
・
19歳。中性
ミスコンで銅賞を貰えるほどの容姿を持つ。
彼氏持ち。
赤いモジシャンに変身する。
本当の性別で男で、『女』
好きなライダーは、仮面ライダー電王(超クライマックスフォーム)
・
19歳。男性
青もしくはオーシャンブルーのモジシャンに変身する。
好きなライダーは、仮面ライダーディケイド(通常形態)。
・
40代。男性
ワードカンパニー社長。
白のモジシャンに変身できる。
好きな仮面ライダーは、仮面ライダー2号。
・
18歳。女性
ワードカンパニーの秘書。
好きな仮面ライダーは、仮面ライダーレーザー(バイクゲーマーLv.2)
・
40代。男性
黄金のモジシャンに変身する。
好きな仮面ライダーは、仮面ライダーデューク(レモンエナジーアームズ)
・
29歳。男性。
黒もしくは灰色のモジシャンに変身する。
好きな仮面ライダーは、仮面ライダーナイト
・
享年20歳。女性
マゼンダ色のモジシャンに変身した。
プロト
あの世から皆を見守っている。
好きな仮面ライダーは、仮面ライダーオーズ(ガタキリバコンボ)
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