亀裂とナズェミテルンディス!!
そしてあの男(通称ベルトさん)が言っていたとおり苦戦していた。
彼自慢の武器、
「やべえな……これじゃあ社長にクビ切られる前に殉職しちまいそうだ」
一見この言葉から察するとまだ余裕があるように思えるが、
自分は全力を出せない状況でどう戦うべきか。
彼はそればかりを考えていた。
必殺技で一気に決めるか?
いや、相手に隙ができていない状態で必殺技を発動しても避けられる。
そうなればエネルギーが暴発して
ならば持久戦に持ち込み、ゆっくりとダメージを与えるか?
それもダメだ。
その時だった。
「せいはぁあああ!!」
花も恥らう19歳の乙女とはとても思えないほどの勇ましい叫びと共に、
不意打ち蹴りを喰らった
「大丈夫、
「
「あんた、よくも
だがそれは
「はぁあ!!」
先ほどの会話で
それは本当だった。
自分の攻撃は外れっ放し、且つ連続で
これは後に
だから、この
だが怒りやすいということは、それだけ冷静さに欠けることと同じ意味。
「ほらほらどうしたの? その程度なの?」
だから彼女は
敵をもっと怒らせて冷静さを削ぐために。
もっとも、
それを彼女はかわし、敵に大きな隙を作る。
そこを狙って
――テンサク、フィニッシュ!!――
前回は脚だったが、今回、
「ライダー……じゃなくてえーっと、モジックパンチ!!」
初陣の時のフェイクキックといい、
充填したエネルギーの拳を彼女は、隙だらけの
その衝撃で
まだ
だが相当ダメージが蓄積されているようで、足取りはフラフラ、身体からバチバチと火花が散っている。
あと一息というところだ。
「だったら、もう1度!!」
――テンサク、フィニッシュ!!――
まだ彼女はボタンを押していないのに、
だが声の主は
虫の息となった
その打撃で今度こそ
「やったね!
「どうして変身した?」
いつもより低いトーンの
ヒーローのピンチに仲間が駆けつける。
仮面ライダーが好きな
だが、この状況は普通ではない。
助けに来てくれた仲間は、彼の恋人なのだ。
彼にとって、この世でもっとも大切な女性なのだ。
「あれほど変身するなと言ったのに、どうして
「そ、それは……」
「
そしてその怒りをビシビシと
「一昨日、お前は言ったな。『私達、もう終わりね』って。ああ、そのとおりだ。もう俺達はこれで終わりだ」
「待って
「じゃあな、
さよならの言葉と他人行儀な呼び名を残して。
そんな2人を隠れて覗く、1人の男の影があった。
だが、彼らの脳と心は今それどころではなく、その存在に気付けなかった。
「女ヒーローか。気に入らねえな」
男は小指にはめた指輪を見つめながら、物陰に消えた。
同時刻、
「何か用かな、
「何故、
「ああ、そのことか」
「君だって
「私はお前のように強硬手段を取るつもりはなかった」
「心外だな。私は彼女の背中を押しただけだよ」
無言で
静寂に怒る社長を
「まあまあ。
「……いいだろう、この件はこれで不問にしてやる。だがその代わり、その原因を迅速に解明しろ」
「了解、社長」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
登場人物情報が更新されました
・
19歳。女性
ミスコンで銅賞を貰えるほどの容姿を持つ。
彼氏持ち。
何故か
好きなライダーは、仮面ライダー電王(超クライマックスフォーム)
・
19歳。男性
青い
左腕を負傷中。
自分の助言を無視して変身した
好きなライダーは、仮面ライダーディケイド(通常形態)。
・
年齢不詳。男性
ベルトさんを
好きな仮面ライダーは、仮面ライダー2号。
・
18歳。女性
好きな仮面ライダーは、仮面ライダーレーザー(バイクゲーマーLv.2)
・
40代。男性
・謎の男
年齢不詳。男性。
物陰から
奇妙な指輪を小指につけている。
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