受け身の愛

愛されているということは

限りなく幸福なことである。


しかしその受け身の愛は

決して人の心を満たさない。


みんな自分が

誰かに愛されているのなんて

わかりきっている。

でも心が苦しい時

そんなことは

まるでどうでもよくなってしまうのだ。


存在は離れれば薄くなる。

愛は重石にはなっても癒しにはならない。

他人の優しさが強く心を揺さぶるのは

受け取った側が心から

その優しさに感謝できる時だけ。


ひとが本当に心から満たされるのは

自分から何かを愛した時だ。

花の美しさを、天気を、食事を、

誰かの存在を。


だから愛とは結局

自己のものなのだ。


他人からの愛は美しいが

結局己の心が受け取って

愛し返したいと思うまでは

存在しないようなものなのだ。


ただそういうものなのだ。


どうしようもないことなのだ。




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感情の掃き溜め。 碧い紅葉 @acer_momiji

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