小生大ちっぱい

 小生の妻は、ネココをペンネームに活躍するちっぱいライトノベル作家である。最近、悩んでいたスランプを脱したようである。それは喜ばしいことであるが、その会心の作に『ふた房のたわわな果実』なる官能小説とはいかなるものか。問題提起をすべく、筆をとったまでである。


 先ず、伝えなければならないのは、ネココに自身のちっぱいをたわわな果実と小生が表現すると思われているのを訂正したい。見たままを正直に伝えるべきである。


 これは、妻とする前に心得て欲しかったのだが、小生は、たわわがお好みである。その他は、激かわ過ぎて目を合わせられずに困っている。


 一つ、美しい妻を描いてみよう。


 朝日の差し込む厨、可愛らしい白いエプロン姿で、茄子と油揚げの味噌汁を拵える君。結った黒髪を揺らして、長く尖った耳を穏やかに下げた時、納得の味に調ったと伝わる。


 これだけで、夫はちっぱいを忘れて激かわキノコにやられる。


 惚れて仕方がないので、ちっぱい失敗談は皆無に近いと気が付いた。


 一つ困ったのは、恥ずかし過ぎて、肩も抱けない小生の性である。ネココ、寂しがらせてごめん。失敗したのは、小生である。


 惚れているから、勘弁してください。





結……果たして続くのか。

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