遊びに来たよ!三原秀一編 前編

ピ~ンポ~ン!

「はーい。」

誰だろう。宅急便じゃないと思うけど。

モニターを見ると、お姉ちゃんと、同じくらいの年頃の、お兄さんがいた。

「本田苺の友人の、三原秀一でーす。」

あっ、知ってる!

いつも、苺ちゃんが迷惑をかけてる・・・。💧

「お待ちくださーい!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

予告なしに、本田の家に来てみた。

そしたら、やっぱり本田はいないみたいだ。

だよねー。

「こんにちはー。」

ドアが開く音と共に、小中学生くらいの男の子がでてくる。

「こんにちは。もしかして、きみが楓君?」

「はい。いつも姉がお世話になっています。」

へぇー。しっかり者だね。

「姉は今、本屋に行っています。

立ち話もなんですから、中へお入りください。」

「・・・お邪魔します。」

いやぁ、本当によく出来た弟だ。

でも、こんな礼儀正しい言葉、どこで覚えたんだ?

楓君は、身長は普通。でも、ちょっと小柄かもしれない。

かわいい系の顔立ちで、笑顔もいい。

礼儀もなっていて、頭良さそうだ。

コイツ、モテるぞ。


「ここがリビングです。ソファーでお待ちください。」

そっとソファーに座る。

すると、すぐに楓君がやってきた。

「粗茶ですが。」

そう言って、紅茶とお菓子をだしてくれた。

「あの、楓君。」

「はい。」

「どこで覚えたの?」

「はい?」

「なんか、すっごく礼儀正しいなと思って。いいよー。その調子!」

「はいっ!ありがとうございます!」

素直でよろしい!

初対面にして、俺のよくわからないノリにもついて来ている!

よくできた弟だ!

・・・あれ?楓君って、本当に本田の弟なのか?素晴らしすぎないか?

あ、でもなー。

きょうだいは片方がダメだと、もう片方がちゃんとするとか言うからなー。

「っていうか、楓君?」

「?」

「座って座って!」

なんでずっと立ってるんすか・・・。

「あ、では遠慮なく。」

少し、申し訳なさそうに座る楓君。

遠慮もなにも、君の家だから!

「あと、ついでにいい?」

「はい、なんでしょう。

・・・あっ!!お茶、熱かったですか?

それとも、コーヒーや緑茶派でしたか!?」

こらこら。そんなに心配そうな顔しないのっ!

「お茶、おいしいよ?」

「じゃあ、お菓子ですか!?

もしやタケノコ派ですか!?

ならば敵ですね・・・!」

あ、やっぱり本田の弟だな。

まあ、本田の弟の苗字も本田だけど。

ちなみに、タケノコが何と争っているかは言わないよ。

「いや、そうじゃなくてね。

敬語とかだと緊張しちゃうからさ・・・。

もう友達ってことで、普通にしてね。

ごめんね。急に来ておいて、こんなこと言っちゃって。」

なんか申し訳ない。

俺の口調も、どんどん優しくなってる気がする。

「いいえ!

いつも姉がお世話になっているから、頑張っておもてなししたかったんです・・・。

すみません。」

うわぁいいい子!


ってことで、よくわからないところで後編につづく!

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