第128話ダンジョンマスター

津波は過ぎ去った。

漁村のゴブ達の家々を呑み込み、更地へと

戻した。ゴブ達はみな無事である。

大津波であったことが逆に幸いした。

津波が来るまでに避難する時間が稼げたのだ

高台のトンネルの直ぐそばまで水飛沫が届いた程であった。皆震え、津波の恐ろしさを知った。しかし、皆前向きであり、今度は津波を考えた村作りや避難経路、避難訓練を催すと話し合っている。


心配なのはゲソキングである。

波に呑まれ沖へと流され、一人心細くしていないか、ご飯はちゃんと食べているか、怪我をしていないか、湖の生物に苛められていないかとても心配である。




ゲソキングの消息が分からぬまま幾日か経った頃に、漁村へと視察していたゴブ太から急ぎの連絡が入った。


大急ぎで漁村へと向かうと沖に巨大な何かが

此方の様子を伺っていた。


まさか!あれは!!

召喚したモンスターを見間違う事などあろう筈がない!ゲソキング!!


見ない内にこんなに大きくなって…。

100メートルは越えている。

しかも、恋人を連れて帰って来た。

此方は足を広げれば海竜に匹敵する程に。



後に、ゲソキングから恋人が海竜と争っていたオクトーパスと言う魔物で、オクトーパスに伝わる事の顛末を聞き、海竜とオクトーパスの全面戦争は、ダンジョンマスターが仲立ちをし和平交渉が成され、この日をもって終戦した。


デカくなり過ぎたゲソキングとデカ過ぎるオクトーパスのオクイーンは漁村の近くに水中にダンジョンを新しく作成し、住みかとして使ってもらう運びとなった。


時々、水中ダンジョンから、ゲソキングとオクイーンの子供と思われる蛸と烏賊が湖へと

巣だっていくが、ゴブ達が漁をして捕まえても問題無いと、了承をとった。

弱肉強食の世界なので当たり前の事のようだ

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