ダンジョン生活20~30年目

第90話ダンジョンマスター

今日、初代コブリンが死んだ。

ゴブ生を全うしての死である。


ゴブ達の村がオーガに襲われた時に

ダンジョンの奥へ逃げてきて助けを求めた

あの当時は、ちっちゃかったコブリンの事だ。


ゴブリンとは本来10年前後の寿命であり

彼は15年もの年月を生き、大往生したのだ


出会った当初の方は、ダンマス部屋へと

毎日遊びに来て、楽しい毎日を過ごしたが

一年経たずに彼は青年ゴブとなっていた


ゴブ達の成長とはなんとも早いものである

彼は本を書きたいと言っていたとオークキさんの通訳で知った。


しかし、一つ大きな問題があった。

ゴブリンは文字を持たないのだ。

特に野良ゴブリン達は読み書きなど必要としないしゴブリン語も殆んど曖昧なものなのだ

集落ごとに言葉の意味も違うとかもあるらしいし、大変に難解なのだ!!

ゴブリン語が全然分からない言い訳ではないのだ、そこんとこは分かって欲しい。



そこで、初代コブリンはゴブリン語を文字に書き表すと言う何とも大変な作業を開始し

約10年で完成させる大事業を成し遂げた!

誇らしい!!

そして、1年で一冊の本を書き上げて見せた

のだ!!素晴らしい!!!流石コブ!!


死ぬ間際にその本を託された。

が、残念ながら読むことは出来ない…。

ゴブ語難しい…。



オークキさんに読んでもらう。

ハイスペックオークキさんは書く方のゴブ語もいつの間にか達者である。



本の内容としては、ゴブ達の神様の話だ。

よくは分からんが、ゴブ達のバイブルとして認定します。一家に一冊を無料配布しますので朝起きたら家族で読んで下さい。



…さようなら初代コブリン!!



現在遊びに来ているのは、3代目コブリン達である。初代コブリンの孫にあたるコブもいますよ。

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