第49話オークラとオークキ

ゴブ太は撤退の殿を自ら引き受け、他のゴブリン達が洞窟へと逃げ込む時間を作った。

しかし、自分が逃げ込むには間に合わなかった。


洞窟の入り口は既にオーガに囲まれ

洞窟に入ろうとするオーガを数匹のゴブリンが抵抗している状態である。

ゴブ太自身も10匹のオーガに囲まれ逃げ道を塞がれたのだった。

死を覚悟し、一匹でも多くのオーガを道連れにして、仲間のゴブリン達の負担を減らそうとゴブ太は奮戦した。

しかし、多勢に無勢。いかに二度のランクアップの経験を積んだゴブリンのゴブ太と言え

あまりにもオーガの数が多すぎる。


ますたーとの今生の別れ、死んでいった

仲間達のようにゴブ太もますたーや仲間のゴブリン為にその命を燃やそうとしていたのだ


その時、突然洞窟から大きな音がした!


ゴブ太を囲むオーガ達でさえも、その音のする方へと顔を向けた。

洞窟を囲むオーガが飛んだ。

いや、自らが飛んだ訳ではなく、吹き飛んだのだ。


吹き飛んだオーガは10メートルは先にある大木に激突し、激突された大木は枯れ木のようにポッキリと折れたのだ。


洞窟からはブモモと息をあらげた二匹のオークが姿を表した。







オークラとオークキはますたーと小さなゴブリンと別れ、洞窟の出口へと、ものすごい速さで駆け抜けた。


出口付近に差し掛かると、傷付いたゴブリンや蜂。子供のコブリンの姿もあった。

そのほとんどが、オーガの脅威に震え

外で戦う仲間のゴブリンの無事を祈っていた。


近づく二匹のオークに驚き戸惑ったが

一匹のゴブリンが大丈夫ゴブ、味方ゴブと

周りのゴブリン達を落ち着かせたのだ。


速度を緩めた二匹だったが、それを見届け

出口へとオークラとオークキは急ぐ。


出口にはオーガが既に侵入しようとしていた

それを槍を剣を盾を持ったゴブリン達が

突き、斬り、防いだが、そもそものパワーが違いすぎて苦戦を強いられていた。

洞窟の狭さだけがゴブリン達に味方した。

ジリジリと傷付き、圧され後退を余儀なくされたのも仕方の無いことだ。


疾走する二匹のオークはスピードをそのまま上手くゴブリン達を避け

肩口からオーガの胸へとタックルを決めた。


オーガが飛んだ。オークのタックルを受け

体格的には、オークよりもオーガの方が

1,5倍はあろうかと思われるオーガ吹っ飛んだのだ。


玉突き事故を起こしたように、オーガがオーガを巻き込み、付近にいた7匹のオーガはゴロゴロと洞窟の外へと転がり出された。


幸運にも?無事だった一匹のオーガは呆然としていた所を、オークラの手によってぶん投げられた。

またもやオーガが飛んだ、そのオーガは

付近の大木に頭から激突し二度と動くことは無かった。


洞窟から二匹のオーク。オークラとオークキが姿を表した。

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