第46話ゴブ平
ゴブ太の兄貴に頼まれ、最近ニンゲンの村へと荷物を運んでいる。
おう、ゴブ道兄弟。そっちを持ってくれ。
良い匂いがするとゴブ道が鼻をクンクンと鳴らしている。
蜂蜜の樽だ。ゴブ達皆が大好きだ。
少し味見しないかとゴブ道が囁く。
俺はゴブ道の頭をポカリと叩く。
ゴブ太兄貴に直々に頼まれたのだ、少しでも粗相があってはいけない。
そうだったとゴブ道も真面目に樽を運んだ。
ニンゲンの村には最近、ニンゲンが増えた
アルバイと言う商人が雇った蜂蜜をどこかへ運ぶニンゲン達だ。蜂蜜もニンゲンの村で食べられるようになり、病人や子供達に感謝される事も多い。今日も子供が近寄って来て挨拶してきた。
アルバイが建てた倉庫に蜂蜜樽を運び終わり
帰ろうとすると、見知った顔のニンゲンが
駆け込んできた。冒険者と言うニンゲンで
蜂蜜樽を運ぶ時に護衛するために雇われていると聞いた。
「オーガがでた!!一匹のはぐれだ!
手伝える奴らは直ぐに来てくれ!!」
倉庫の二階で休んでいた冒険者ニンゲンが数人階段を掛降り現場へと向かい走る。
ゴブ道と頷き合いその後を追った。
其所には大きなオーガ。冒険者ニンゲンや村のニンゲンの男達は村を守るように半円形で囲っているが、本人はそんな事をものともせずに手にもった大きな斧を振るっていた。
冒険者ニンゲンが6人、村人ニンゲンが15人。その中には猟師ニンゲンもいたが、
決め手に欠けているのが直ぐに分かった。
盾を持った冒険者ニンゲンが斧を弾き反らしているが一歩間違うと盾は真っ二つになる。
其ほどに荒々しくオーガは斧を振るっていたのだ。
他の冒険者ニンゲンもその隙に攻撃を加えるがオーガの肌は鉄のように硬く、剣や槍を弾き矢は刺さらず肌を滑り彼方へと飛んでいった。
ニンゲン達が劣勢なのはあきらかだ。
ゴブ道に合図をだし、オーガ目掛けて駆けた。
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