第36話商人アルバイ

あれからさらに年月が過ぎ

冷蔵魔道具の小型化にも成功した。

同時進行で研究してきたさいだーあいすについては残念ながら成果はでず断念する事になったのが、副産物としてミルクあいすの開発には成功したと言えよう。


しかし、ここで大きな問題があがる。

7年前に私が持ち込んだ岩塩を初めに

ここ最近右肩上がりに売り上げを伸ばす

かれーはんばーぐ店

そして今回の冷蔵魔道具が国王陛下の目に留まり、献上する運びとなり周囲の大手商会や

その利権に絡む貴族達の怨みを買ってしまった事だ。


最初はさいだーあいすの開発による忙しさに

其処まで首が回らなかったのだが

親身にしていた調味料店に買い出しに行った際に


「悪いが、アルバイさんあんたの所にこれ以上砂糖を売る事が出来なくなっちまった。

うちも商人ギルドに睨まれちまうと商売していく事が出来ない、本当にすまない。」


そう言って頭を下げられた。


真っ白で神々しさのある岩塩で塩の利権を荒らされた挙げ句、かれーはんばーぐの流行により香辛料も値が上がり、他の飲食店から

ギルドに苦情が殺到し、今度は砂糖の利権迄もと、そうはいくかと手を打たれたのだ。


他の調味料店にも向かったが、全ての店に

ギルドから手を回されていた。


かれーはんばーぐ店を一手に担って貰っている、モルガ男爵にも相談したが残念ながら

良い返事は貰えなかった。

どうやら塩と砂糖の利権には大貴族が絡むため、国王陛下でさえ下手に手を出せないとか


ミルクあいすの量産化については断念した。

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