第19話ゴブゾウ
ゴブスネ班長は、1匹で人間達に向かっていった。我ら2匹はその最後を見届ける。
雄叫びと共に「マスターさらば!」
と班長の最後の言葉である。
ゴブハンと2匹、オークの元へと駆ける。
森の中でも思ったよりも人間達は速く
このままでは追い付かれてしまうだろう。
班長の死が無駄になってしまう!
突然隣のゴブハンがスピードを緩めた。
「なにをしている。ゴブハン臆したか!」
「誰が臆すか!先に行け!このままでは
オークの元にたどり着く前に追い付かれる」
ゴブハンも同じ事を推測していた。
「違い無い、しかしどうすると言うのだ」
「ゴブゾウ走れ、俺が時間を稼ぐ」
そう言うよりも速く己の足にマスターから授かった忍者武器とマスターが呼ぶ、クナイを突き刺した。
「急に止まれば怪しまれよう。しかし負傷したとなれば…」
「くっ…、先にあの世で待っていろ!!
直ぐにゆく!」
「ああ、兄弟お先に、さらばだ!」
班長の真似をしたゴブハンは少し照れながら
片手を挙げた。
ゴブハンもまた雄叫びを上げ散っていった。
あと少し、あと少しで…
森を抜けるとオーク共が昼寝をしていた。
しかし大きな物音に気付き起き出した
一番大きいオークの元へ駆け込み、ナイフを突き出す…。
届かなかった、全くもって全然…
オークキングの横殴りの一撃に吹き飛ばされ
薄れ行く意識の中、人間共とオーク共が相対するのを見届けた。
ワレゴブゾウ、サイゴノ任務セイコウセリ。マスター以下友ゴブノ、武運ヲイノル。
あの世で班長と兄弟が待っている…
あちらでの任務はまた厳しいものだろう
何てたって班長はゴブ使いが荒いからな。
(ゴブゴブ言うとります。)
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