勇者の天敵が魔王ってデタラメなんですけどっ!?
勇者の天敵が魔王って
「でも、アメツチ、お前……何か変わったか?」
主人公らしい鋭さでアテルイは
アテルイとはそういう女だ。
アテルイとは個人名ではなく、勇者の名だという説から生まれた『恩讐のアテルイ』で、女でありながらアテルイの名を継ぐ事は、容易い話ではない。
男を凌駕する体力と頭脳。
女らしい情の
エニシさんが理想の女性だとするならば、アテルイは強く聡く
「ああ、俺は
だから、アテルイは
「それは、どういう話なんだ? また
「いや、これから何をして何をしないで、どう動くかのための話し合いがしたいんだ」
確かに
「……本当に変ったな、アメツチ。一晩で見違えるくらいだ」
その
『恩讐のアテルイ』の中で
そう、アテルイの物語では端役でしかないが、アメツチは確かに勇者の天敵なのだ。
『恩讐のアテルイ』は、全てを失ったアテルイの復讐の物語であると同時に、それでも人間として生きたアテルイの報恩の物語だった。
そして
言い換えるなら、
だが、『恩讐のアテルイ』のアメツチより、妄念であり<死念>である<輪廻転生>という<志念>が宿った今の
無数のアンハッピーエンドを迎えた世界の魂達が生んだ奇跡によって生まれたこの可能性世界で、
いや、
けれど、
なぜなら、アテルイは戦いの中でこそ輝き、
『恩讐のアテルイ』の主人公が、‘ 世界を私したいと願う者達 ’の我欲の中で傷つき死に瀕した者のために涙して、その者達が創りあげてきた世界に生きる者として恩を感じ、怒りながら復讐する者なら、『恩讐のアテルイ』の端役である事を止めた
理不尽を覆すために戦う事を選ぶだろう勇者と、理不尽を行わせないために戦わせない事を選んだ‘ 勇者の天敵 ’。
それがアテルイと
権力者に選ばれた一握りのエリートが、他の人々を、家畜やペットとして扱うようなやり方。
力という理不尽こそが人間を服従させて秩序を生み出すという我欲の理屈 で、人が援けあい共に創りあげていく「人類の生存戦略」を、自分達に都合よく捻じ曲げる理不尽。
そんな人間社会が克服すべき「自滅本能」から生まれた理不尽を人間社会のルールと定め‘ 自然の摂理 ’と呼んで誤魔化そうとするような権威。
そういった悪意を打ち砕くには、勇者や英雄ではダメなのだ。
まして、理不尽を更なる暴力の理不尽で覆す自称魔王や自称神の権力に与するのでは意味がない。
それが和の
『恩讐のアテルイ』の物語の中で、アテルイもアメツチも、目の前の危険によって、その生き方を貫く覚悟を見失った。
それを
数年後のアテルイなら
前世はともかく、前々世の俺は、一応だがフリージャーナリストだ。
「アテルイ、俺はこのままなら
だから、
ちょっとした会話テクニックというやつだ。
「だから、オマエと一緒に
「それは、やつらには勝てないって事か? そんな事はない! 武を鍛えて力を見せ付ければやつらも諦める」
だが、思ったとおりアテルイは今までのように
ここで
アテルイへの劣等感や嫉妬という
「諦める? 本当に、あの強欲で我儘にしか生きられない飢えた猿のような侍達が、諦めるなんて事ができると思ってるのか?」
他ならぬアテルイの一族が
それが、
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