絶望的な超負け組に生れたんですけどっ!?
致命的な
「アメツチは、本当に大丈夫なの?
同じ幕家の中では、俺達<
まあ、<
婆さん、今日も皺くちゃで、漢方薬臭いな。
「殴られて目を回した程度よ。子供の力じゃて、少し打ち所が悪くても死にはせん。今日一日寝かせておいて眩暈がなくなれば良い。
そういって婆さんは仕事に戻れと
義弟や義妹は、
すまん、
けれど、若くていい女にあんな顔をさせた事を前世までの俺が悔やみ、マザコンの
それに、前世までの記憶を想いだして直ぐなので、まだ精神が不安定なのだ。
15歳をすぎていた一回目のときほどではないが、複数の記憶の統合は色々とキツイ。
自分が今までの自分でなくなる恐怖と、自分とは何かというアイデンティティーが崩れる不安は、2度目でも同じだ。
その反動で愛情や執着といった情念が強くなるのもだ。
年齢で強まる理性のせいで消えそうになる
違うのは、それに押し潰されない事だけに全力を傾けないですむということだが、やはり辛いものは辛いし、痛いものは痛い。
だから義母には申し訳ないが、俺にはとりあえず時間が必要だったのだ。
俺には、人格の統合とかそういう意味でも、破滅の未来を回避するという意味でも時間が足りなかった。
とりあえず一日程度の時間は稼げたが、不安定な精神を立て直し、早急に今後の事を考え、対策を考えねばならない。
そうでないと、前世で主人公が悪役を倒すまで生き延びるというファーストミッションすらこなせず、モブとして瞬殺される破目になったように、
あの時は現実逃避や環境に適応するのに時間をかけすぎて、<志念>を覚えるのにも手間取ってしまった。
そのせいで、悪役の
そのあげくに追い詰められて戦ったけれど瞬殺だった。
「残念、君は失格(^▽^) うん、問題外m9(^Д^)」
というマンガの台詞をリアルで聞かされたよ。
射撃系、武闘系、付与系 属性系、具象系、呪法系、傀儡系、 復元系の八系統の内で、直接戦闘の苦手な呪法系だった上に、俺には能力者としてのあるハンデがあったのだ。
それで主人公の宿敵レベルの属性系殺人鬼に勝てるわけがなかった。
前世では、主人公が来るまでの時間を稼いだから家族を救う事ができたはずだが、今世では
今世の俺にとっては大事な人間で、不思議だがその想いは70年分の人生を経験した今も薄れたりはしていない。
それどころか、前世までの家族への思いと重なるようにして、大切な想いは降り積もるように重なって強くなっていた。
逆に前世までの憎しみや苦しみといった悲惨な負の想いは薄れているが、今世の未来への不安は一族への想いの分だけ強く感じられた。
<志念>能力は存在エネルギーである<
それに、最強レベルの能力者でも単純な暴力で軍勢から
自分が生き残れても、
<まつろわぬ民>と朝廷勢力の関係は、前々世の世界に例えるなら欧米諸国に対する武装勢力<IS>とかみたいなものだ。
もちろん、<まつろわぬ民>が<IS>な。
もっとも、
まあ、そういうわけで<まつろわぬ民>が末端の豪族や農民を虐殺したり、戦国大名を暗殺する事はできても、そんな事をして相手が本気になれば、簡単に滅ぼされてしまう。
欧米諸国がテロ組織相手に軍隊は派遣しても大量破壊兵器を乱発したりせず、軍事費のための税金を増やす理由に利用するように、今まで<まつろわぬ民>も
でも、戦国乱世となって<まつろわぬ民>が敵対する朝廷勢力も征夷大将軍も力を失い、<まつろわぬ民>の利用価値も完全に消えてしまっていた。
<まつろわぬ民>を利用する側が分裂して争い合い始めたら、共通の敵とはいえ、勢力を一豪族レベルにまで弱めた相手など滅ぼす手間さえ惜しい存在になる。
だから、<まつろわぬ民>は今まで無視されて辛うじて生き延びていた。
だが、大義名分としてではなく、武家同士で殺しあうための戦力が必要な乱世では、力のない<まつろわぬ民>は消え去るのみだ。
少なくとも前々世の歴史ではそうだったんだよな。
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