第64話 知らない天井
起きたら知らない天井だった。
そして、肩が凄く痛い。
いちお何かで固定されているようだ。
あれか・・・Mに捕まったのか?
いや、あいつも倒したはず・・・そう思って首を横に向けると、さやかちゃんがソファで寝ていた。
しかも、黒百合の制服を着ている。
制服から見える生足・・・うん、素晴らしい。
そして寝顔。
黒百合の制服が最高に引き立っている。
このブレザーとセーラを上手く組み合わせ、黒を基調に白もおり混ざったシンプルな色合い。
そして、小柄で可愛らしいさやかちゃん・・・完璧すぎる。
ずっと見つめてみたい。
あれか!もしかして、ここは・・・天国か?
そして、目の前にいるのは、さやかちゃんじゃなく天使だ!!天使さまだぁ!!
と思った瞬間。
目の前に妖怪がズイっと現われた。
「おおぅ、なんじゃ目が覚めたか」
白衣を着た白髪の小さな爺さんだ。
まるでゴブリンだ。
ま・・・まさか、Mに捕まりその組織の研究者的なやつか・・・これから改造されたりするのか!?
「ま、まて、とりあえず聞くが私はもう改造されたのか?まだ改造前なのか?」
「ブヒャ!! 改造か!!改造がお望みかっ!!」
「な、違うのか!?」
「じゃあ、お望み通り改造してやろう・・・まずは初心者向けでこれとこれか・・・」
そう言って白衣を着たゴブリン爺さんが何か道具を取り出した。
あれは・・・何だ!?
ゴムのような柔らかい素材にゴルフボールくらいの大きさだが、何か先端が尖っている・・・何か中に液状の物が入っているようだ。
更に・・・何だあの器具は・・・丸いボールが数珠繋ぎで幾つも付いている・・・素材はゴムっぽいが・・・。
・・・というか、あれは普通に浣腸とア○ルビーズにも見えるんだが・・・。
いや、だがあれは改造用の特殊な機器かもしれない。
「くそーー! やめろーー! ぶっとばすぞーー!!」
「くっくっく・・・大丈夫じゃ・・・すぐにもっとしてくれーというくらいに改造してやる・・・」
そうジタバタとベッドの上で抵抗をしていると。
「ねぇ・・・何やってるの?」
「え?」
「なんじゃ?」
声のした方を見ると・・・さやかちゃんが起き上がり、こちらを見ていた。
「さやかちゃん!! 大丈夫か! このゴブリン爺に改造されてないのか!?」
「ゴブリン爺とか・・・ひどいのじゃ・・・」
「えーっと・・・よういっちゃん何言っているの? あと相田先生も何やっているんですか?」
凄く冷めた目で二人を見てきたさやかちゃん。
うん、冷めた目で黒百合のお嬢様雰囲気で見られるのも何かいい・・・。
「相田先生じゃない!!ドクトルAじゃ!!」
「どっちでもいいじゃないですか」
「大事なのじゃ!!」
何かゴブリン爺さんがぎゃーぎゃー五月蝿いな。
結局これどういう事何だ?
「えーっと、よういっちゃん・・・多分まだ目覚めて良く分ってないと思うけど・・・」
そうして、さやかちゃんからあの日の夜の状況を聞いた。
一応、Mを追い払うことは出来たらしい。
坂田君も今は警察で保護されていると・・・それを聞いて安心した。
あとゴブリン爺の正体も分ったが・・・あまり触れないようにしよう。
「それとね・・・よういっちゃん・・・」
そう言って、横から服を取り出した。
これは、昨日買った服だな。
けど、スカートが思いっきり破れているような・・・。
「ごめんよういっちゃん!! 折角買ってもらったのに・・・」
目に涙を溜めて言ってくる。
スカートは良く見ると血も沢山付いている・・・。
これは・・・。
「このお嬢ちゃんに感謝するんじゃぞ。スカート切って止血してくれてたからなぁ・・・そのままじゃったら、出血多量で死んでるところじゃったぞ・・・」
えっ!? さやかちゃんが助けてくれたのか・・・
「さやかちゃん・・・スカートはまた今度一緒に買いに行こう。
そしてさ、さやかちゃんにも無茶をさせちゃったね。
ごめんね」
「よういっちゃん・・・・うわあああぁぁぁん」
急に堰を切ったかのように泣きだしたさやかちゃん。
そのまま、私に抱き付いて来た。
「ほほほっ・・・じゃあ、ワシは仕事に戻るかのぉ・・・」
そう言って、ゴブリン爺さんは去っていった。
うわっ、二人きり・・・。
黒百合の制服を着た美少女と二人きり。
しかも、抱きついてきている。
この制服感・・・素晴らしい・・・ウール100%か。
黒百合のお嬢様&制服で私の腕の中に入り込んでいる。
もうこのまま死んでもいい・・・。
おっと、それよりも・・・ここはやっぱ優しく抱きしめるべきか。
そっと腕を回す・・・
ふおおおっ!! なんだこれ!さやかちゃんの小柄な感じが制服と相まって抱き心地が最高だ!
ヤバイこれは・・・平常心平常心。
「よういっちゃん・・・恐かった。
あたし、結局なんも出来なかった。」
わ、私も今・・・何も出来ません。いやむしろ最高です!!
「そんな事無いよ。さやかちゃんが居たから・・・あのひいろちゃんのお母さんだったかな?助けられたでしょ」
「でも、よういっちゃんの能力があるからこそだよ」
「いや、さやかちゃんが居たから・・・一緒だったから私も勇気を貰って、行動出来たんだよ?」
「・・・よういっちゃん・・・かっこつけすぎ」
そう言って、赤く何か照れた感じで顔を私の胸にボフっと押付けた。
うん、多分今、心臓バクバク言ってるよ。
聞こえちゃうよ。
「何か・・・よういっちゃん凄い心音する」
ばれたあぁぁぁぁぁ!!
「そりゃ、こんな可愛い子に抱きつかれると緊張もするよ」
「制服も着てるから?」
「うっ・・・否定はしない」
「でも、よういっちゃんらしいよ。そんなよういっちゃんだけど好きだよ」
えっ・・・。
好き?ライク?ラブ? いや、流石にライクだよなぁ・・・。
「あはは、嬉しいよ。私もさやかちゃんは好きだよ」
「もうっ・・・」
また照れて顔を伏せた。
あれ?なんかこれヤバイ雰囲気じゃね?
しかも、何か離れるタイミングを外してしまった。
さやかちゃん抱きついたままだし。
最高だけど何か・・・段々と気まずくなってきたぞ・・・。
「あっ、えっと・・・よういっちゃんそういえば私昨日からお風呂入ってないし臭いよね?」
「えっ、そんな事無いよ!大丈夫だよ」
そうか・・・お風呂に入っていなかったか・・・だがこの制服の臭いと体臭の混ざった臭い・・・そして、JK特有のスプレーの香りとおり混ざって下手な香水より私にとっては刺激的な香りだったりする。
ずっと嗅いでいたい。
だが、さやかちゃんがそっと離れていった。
名残惜しい・・・と思っていると。
「あー、とりあえず入っていいか?」
「もう!金子さん。早いですって・・・ああ、若いっていいわね~」
とドアがちょっぴり開いていてゴールドさんと楓さんが居た。
ぎゃあぁぁ、見られていたあぁぁ!!
「まあ、なんだ。俺も年の差あるけども、いちお山本くんは未成年に手を出すことになるから気をつけろよ」
「いやいやいや、何言っているんですかゴールドさん!」
「ふっ、冗談だ」
警察のゴールドさんに言われて一瞬背中に冷やりとしたものがあった。
それはともかく、ゴールドさんが来たって事は・・・ゴールドさんも話があるって事か、そして私も坂田君の件も含めて話さないとな。
「ゴールドさん・・・坂田君は・・・」
「ああ、彼か。ちゃんと保護している。もちろん留置所ではないぞ、こちらもそれなりの待遇でしている」
「良かった」
「まあ、それは後で良いとして、色々と話さないとな」
そうして、ゴールドさんが語りだした。
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