旅立ちの詩

@minato_hotaru

第1話

ホクロがひとつ増えたと思ったら

スイカの種を顎にくっつけて

急いで食べる君の姿を

あとどのくらい見ていられるだろう?


君が大人になった時はきっと

僕に海へ連れて行ってとは言わずに

誰か別の人を誘いたくなる


寄せては返す波の音に合わせ

砂場を削る石みたいだね


同じ場所に立つことはないんだ

みんなひとつの生命体だから

それぞれの距離を見守りながら

太陽が心臓を透かしている


授業参観日の僕の私服を

嫌がる頃にはもう手遅れだ


化粧ポーチが重たくなる度に

君はどんどん綺麗になってゆく

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