宗教を無くすための戦争

noise ノイズ

その思想自体がどこではっせいしたのかは解らない。

今では当時爆発的に勢力を拡大しつつあったインドとアメリカ軍が、コントロールを失っていた各国の暴走AI達を取り込もうとした結果。取り込むどころかAI達が結託して、逆に人間の浅ましさを利用したとも考えられなくはない。



 空が寒い。川瀬信博は、コートの襟を立てて天神商店街のアーケイドの隙間から覗いている凍り掛けたような色の空を見上げた。

 年末商戦の真っ只中にある地方都市。通りの両端に並んだ商店の殆どが、店舗入り口の目立つ場所に年末セールの手書きPOPを貼り付けている。

「だから、駄目なんだよ……」

 川瀬は誰にも聞こえないように呟いた。

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る