⑧遊星からの変態X
前回のあらすじ・クレイさんが変態だった。以上!―――byアル
「いや以上じゃねえだろおおおお!!!?異常だろおおおお!!!?」
全力のツッコミである。
ここは再びアルの部屋。クレイさんのあれを見た後戻ってきたのだ。
ちなみにクレイさんはあの後「何もみなかったってことで。」とだけ言ってスタスタと去って行った。
それっきり、彼女の姿を見た者はいない
――――――的な展開かと思いきや、部屋に戻ったら普通にいた。
もう一度言おう。ドア開けたら普通にいた。
しつこいがもう一度。ドア開けたら普通にベッドメイキングしてた。
ついでにもう一度。ベッドの横のテーブルに薄いゴム製のアレ置いてる最中だった。
………この世界にも………、アレ…………あるんだな…………。
あ、そのあとアルが真っ赤になって追い出してました。
そのアルが可愛かったので、クレイさんに目線で言っておきました。ぐっじょぶ。
……そんなことはどうでもいいんだ。
そんなことよりも
「まさかクレイさんまでもが変態だなんて……。」
「ちなみにこの城で働いてる人全員変態だよ、ファスト………。」
その言葉を聞いたなら、誰もがこう思っただろう。
すなわち―――――――この国、よく今まで存在できてたな。
「全員、仕事はできるからね………。始末に負えないというか……。」
うわー……、あれだ。学校に一人はいる奴だ。無駄に頭が良いアホ。
テストの順位がいつも一桁なのに窓から飛び降りたりとかする奴だ。
「せっかくだから全種類の変態を案内しよう!変態観察ツアーに出発だ!」
絶対行きたくねえそんなツアー。
といいつつもついていく俺であった。
~女子トイレ~
「最初っからここかよ………。変態の宝庫じゃないか………。」
ぼやく俺の横で、アルはじっとあたりを見回す。
と、突然
「あ、見て見て!野生のジョシトイレオジサンだよ!」
誰か警察を呼べ。てかまず侵入を許すな。仕事しろ門番。
「彼の仕事は門番!名前はシリスキーだよ!」
始末に負えねえ!あと尻フェチの方ですか?
「あ、脚フェチです。」
脚なのね!?
~女子更衣室(従業員用)~
「さっきクレイさんがハアハアしてた所か………。」
見回してみるが、特に変態はいないようだ。本来それが当たり前なんだけど。
「ファスト、上。」
「上?」
特に何もってうわああ!?何かいる!
何かが天井に張り付いてる!気持ち悪いよお……。
「テンジョウウラビデオサツエイだ!」
朗らかに言うアル。………よくこの状況で明るく話せるな。
「初めまして。清掃のトルビデオと申します。」
「自己紹介してきた!?」
「こんな格好ですみません………。お会いできて光栄です。」
「しかも礼儀正しい!?」
「いつもは男女の夜の秘め事などを録画しております。」
ああ、だからウラビデオ………。
~男子更衣室(従業員用)~
「男子更衣室って絶対……。」
と、
「野生の野獣先輩だぁ!」
「ほらやっぱりなあ!?」
全裸の男がソファに腰かけていた。
てかなんで野獣先輩だけ漢字なんだよ!?
「やらないか。」
「やらないよ!?」
しかもそれ阿部さんだろ!?
「見破るとは…………。やりますねえ。」
「嬉しくないし意味違うし!」
と、そこでアルが、
「ごめん、警備室ってどこだっけ。案内してくれない?」
「わかった。だが俺はここから動けん。全裸だからな。あ、ちなみに警備です。」
男子更衣室から一歩も外に出れない警備とは。
「仕方ないのでここから指示してやろう。」
そう言うと、先輩はドアを半分だけ開き、廊下の右を指さして
「まずこの方向へまっすぐだ。」
俺たちはそれに従い、二つ目の角まで来たところで、
「イキ過ぎぃ!一つ目の角を右ぃ!」
「…………。」
~警備室~
「警備室って、特に何もないイメージなんだが……。」
そう言いながらドアを開けると、そこには監視水晶を食い入るように見る男が一人。
「なんだ、真面目そうじゃあないか。………ん?」
目線をたどると、男は水晶ではなく、もっと下、自分の手のほうを見ている。
なんだ………?
と、その手の中を覗き込むと
「エロ雑誌じゃねえか!?」
しかもロリ系のやつ。ガッチガチの。
「初めまして。オサナゴ=メデルだ。」
「名前からしてアウト!」
なんだお前!?
親はお前に何の恨みがあったんだ!?
「話は聞いている。王女を選ぶとは………貴様、
「ちが………」
「本当に違うのか?」
「…………。」
アルがジト目になってきたのでここらで退散。
~庭園~
「野生のゼンラオジサンだ!」
「庭で堂々と
「ジョシトイレオジサンの亜種で………」
「また門番かよ!門を守れ門を!」
「え、でも肛m……」
「その先を女子が言っちゃいけない!」
~男子トイレ~
「やらないか。」『やらないか……』←エコー 『やらないか……』←エコー
「帰ろう、アル。」
*
あの後すべての変態を、文字通り「見て感じた」俺らは、再びアルの部屋へと戻って来ていた。
戻ってくるなり、アルはベッドにダイブする。
「ふう、疲れた……。」
「ああ、………さすがにもう変態はいないよな?」
あんだけ居たんだ(計298人)。さすがにもういないだろう………。
と思いきや、
「いるよ。」
とはアルの返事である。
「は!?」
どんだけ居るんだよ、変態。
この世のすべての変態をここに集めて来たみたいな感じじゃないか……。
「いや、一人だけだよ。」
一人だけなの?マジで?
「じゃあ最後の一人に会いに行こうぜ?」
「いいよ。」
といいつつアルは全く立ち上がろうとしない。
「ここまで来たんだ。せっかくだからすべての変態を見たい。どこにいるんだ?」
アルが疲れてるっていうのなら、俺一人だけでも会いに行って………
「いや、それは君だよ、ファスト。」
はい?
「気づかなかったのかい?女子トイレや女子更衣室に平気で入っている時点で君も変態の一人だということに………。」
………あ。
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