⑤異世界でも…か。
「・・・。」
恥ずかしいです。
朝起きたらアルと目が合ってしまいました。
と、アルが真顔で、
「なんで敬語…?」
「なんでお前は俺の考えてることが分かるんだよ!?」
地の文にツッコミを入れるなよ!それは登場人物としてどうなの!?
と、アルが
「ねえ、『地の文』とかはっきり言っちゃってる君の方がやばいと思うんだけど…。」
「だから地の文にツッコミを入れるな!!!!!」
「飯を食べ 一息ついて 昼寝かな byファスト。うむ、いい出来だ。」
というくらい眠かった。というか、眠くて助かった。
だって眠くなかったら、昨日のことを思い出してムラムラしちゃうでしょ!
「乙女か、君は」
「倒置法を使うな!あと、地の文にツッコむなって何回言えばわかるんだ!?」
「まあまあ、どうせここも作者が書いてんだしいいじゃん。ところで、今日は旅に出ないのかい?」
話題変わりすぎだろ…。と思ったが口には出さない。
「まあ、ゆっくり休んで明日でもいいんじゃないか?」
「え~?」
「大丈夫だ。巨乳は逃げていかない。」
「…。やっぱ行こう。ファスト、準備するよ。」
俺のセクハラ発言に、アルがジト目になる。
「ええ~?」
「だって、僕の胸が大きくなったらファストだって嬉しいでしょ?」
「おまっ……!」
なんてことを聞きやがるんでしょうかこの元・お姫様は。
なんかこのセリフ前にも言ったことがあるような気がするんだがな…。
「だから、俺は胸の大きい人は別に好きじゃないの!!!」
「エ・・・・ソウナンデスカ・・・・・?」
急にカタコトになるアル。
「まじかー。僕、てっきり君は巨乳が好みだと思ってたよー。そっかー、あの努力は全て無駄だったのかー。」
「何を努力したんだ!?」
まさかとは思うが……
「そうだなあ、風呂場で…って何言わせるんだ!」
「ぶふぉっ!!!」
俺は思わず吹き出す。
やっぱりですか!こっちの世界でもそうなんですか!
「胸はもまれると大きくなる、はず!」ですか!
「なんだよ…せっかく努力したのにさ…。」
「わ、わるい………ぶふぉっ!」
「ひどい!」
「まあまあ、どうだっていいじゃないか。旅の目的がなくなっただけだろ。どうせこれから二人で暮らしていくんだ。」
「ファスト…。」
「あと、俺はお前の胸を含めてすべてが好きだからな。」
「…。」
アルが顔を伏せる。
決まった!これはムネキュン確定だろう!俺はもうリア充だ!
リア充、ゲットだぜ!
と、アルが
「ごめんファスト…もう吹き出してもいい…?……ぶふぉっ!」
「…は?」
あっけにとられる俺の前で、アルは盛大に笑い転げる。
「ぶっ…俺は…すべてが…ぶふぉっ!好きだ…だって…ぶはははははははは!!!似合わ…ない…ぶふぉっ!」
「やめろ!恥ずかしくなるだろうが!」
これ以上恥ずかしい拷問がほかにあるだろうか。あると思う方、お教えください。
というわけで、恥ずかしくなった俺は話題を元に戻す方向へチェンジ。
「さて行こうか。」
「あー、逃げたー(笑)」
アルがなんか言ってるが、僕にはじぇんじぇん聞こえましぇん。
「さて、まじでどこ行く?俺としちゃあ、ここで暮らすのも悪くないと思っているんだが。」
「そうだねえ、好きな人と一緒に過ごす生活も悪くないかもねえ。よし決定!」
「ええ!?決めるの早くねえか!?」
もうちょっと考えてから決めてもいいと思う。
「逆に聞くけどさ、なんで旅に出る必要があるの?」
「あ…。」
「旅の目的もうなくなっちゃったし、いいじゃん?」
「タイトルの意味は!?」
確か、元々のタイトルは「貧乳王女が巨乳を求めて旅をする」的な感じだったんだが。
って、変わってるーーー!?
「うーんとね、何となく?」
「世の中の小説家に謝れ!」
「さて、それはさておき、」
「置いちゃダメな気がするんだが…。」
まじで。
もうタイトル変えませんか?「ファストと貧乳」的な感じに。
そもそも、ギャグなの?シリアスなの?どっちか片方にして?
付き合わされる登場人物の気持ちにもなって!?
と、思ったその時、
『読者は楽しいんだからいいじゃん』
「天の声キターーー!」
「どうしたの、ファスト。」
「…い、いや何でもない。」
『私の声はお前にしか聞こえないぜ。一人で騒いじゃって恥ッズカスウィーーーーーー!』
うぜえ…。こいつ絶対友達いないだろ…。
『い、いるし!』
あ、図星か。
『~!もう教えてやんね!』
ちょま!何を教えようとしてたんだ!?
『うるせーバーカバーカ!』
まてっつってんだろ!
「ちっ…、にげたか…」
なにをいおうとしてたんだ?いやな予感しかしないんだが…
と、アルが
「ファスト、何をブツブツいってるのー?」
「ああもううるせーーーー!」
どうなるんだろ、この小説……。
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