ヒラカズ
甲藤
第1話
覚えているのは、お母さんの背中が真っ赤だったこと。前屈みになってて、呼んでも動かなかったこと。
「他に覚えていることはあるかい?」
どうすればいいかわからなくて泣いてたら、隣のおばさんが来てくれた。それから警察を呼んでくれた。
「それから?」
お母さんに触って血で汚れてたから、おばさんが洗ってくれた。着替えを用意してくれた。警察の人が来てくれるまで一緒にいてくれた。
「じゃあ、隣のおばさん以外は誰もいなかったんだね?」
うん。でも、おばさんが来る前までヒラカズがいた。
「ヒラカズ?」
うん、友達なんだ。
「友達はどんな人?」
外人さんみたいな見た目で、いつも公園で遊んでくれた。
「そのヒラカズ君はどこに行ったかわかる?」
わからない。逃げちゃった。
「なんで逃げたのかな?」
お母さんを殺したから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます