第2話



 狩猟犬で特に任務のない日は、訓練する事になっている。


 その日は特に何もなかったので、宙を飛び交う飛行機械を打ち落とすという訓練をする事になった。


「くっ、燃え尽きろ」「凍てつけ!」「痺れろ」「切り裂け」


 炎、氷、雷撃、風。

 皆、超能力を使って飛行機械を打ち落としていく。


 ユウはと言うと……。


ユウ「……落ちろ」


 通常は一つしか使えないはずの力を、炎や氷、雷撃や、風など同時に駆使して、淡々と片付けていた。


エリザ「貴方ってすごいのね」


 透視の力で状態を確認し、回復の力で怪我した人間を治療していたエリザが、そう言ってくるがユウは無視した。

 彼女も能力を二つ使う事ができる。


エリザ「少しくらいお喋りしてくれてもいいのに」


 頬を膨らませらても、ユウは何も言わない。


 そんな事をしていると、同じ舞台の人間、風の力を操るウィーダ・ロットフォールが話しかけて来た。


ウィーダ「おいおい、こんな美人さんに話しかけられて無視かよ。少しは相手してやれよな」


 だが、ユウは聞く耳を持たない。


 誰かと慣れ合ったり、交流を持ったりするのは無駄な事だと思っているからだ。

 今までも一人でやっていけたのだから、あえてする必要はない。

 これからも一人でやっていける。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る