1章 キャラ
第2話 水嶋百恵
教室に着き、自分の席を探し、とりあえず座る。
「...........」
暇だ。
なんて思っていると羽島と平山がこっちに来る。
「いやーこうも早く来ると暇だなー」
「始業式だからだって早く来すぎたね。」
確かに自分たちは少しばかり早く来すぎたようで、周りにも人がいない。まあ自分から話しかけるタイプじゃないから、自分は平気だけど。羽島はーーー
「あー早く女の子来ないかなー」
なんて言っている。いやまあ、自分に正直なのはいいけどね。もう少し本能を抑えようか。
....少し眠たくなって来たな。自分は耳にイヤホンをつけ音楽を鳴らす。ちなみにうちの学校は授業中以外ならスマホを使っていいらしい。ゆるいね、校則。
「ちょっと寝るわ。」
「初日から寝るなんてやるね。」
そう平山に言われた時、教室のドアの開く音が聞こえた。音のなる方を見ると、一人の少女がいた。肩まで伸びた黒髪。整った顔立ち。自分が最初に見た印象はそうだった。
「おはようございま〜す!」
少女が言う。
「お、お、おわようございましゅ!」
「おはよう〜」
羽島と平山が挨拶をする。てか、羽島めちゃくちゃ緊張してるな、どんだけだよ。
「君たち早いねー。私一番乗りだと思ってたよ。」
「し、始業式だから早めに来ようと思いまして。」
「和也、落ち着いて。」
平山に言われ、羽島は深呼吸をする。前から思ってたけど羽島、女の前ではいつも緊張するよな。
なんて思ってると少女はこちらに近づいて話しだした。
「せっかくだし、自己紹介しようよ。 私の名前は水嶋百恵(みずしまももえ)。部活はテニス部だよ。」
「知ってます!この前の京都の大会でもベスト4にはいってましたよね!」
「水嶋さん、有名だもんね。一年のときもよく話題になってたよ。」
「そうなの?なんか照れるな〜」
会話が続く。え、なんで会話に入らないのかって。だって二人ともこの水嶋っていう人知ってる風だけど、自分知らないもん。てか眠い。
「俺が、羽島和也で、茶髪のほうが平山赤城。そして、このけだるげそうなのが、春祇奏です。どうもよろしくお願いします!」
「よろしくー」
「うん、よろしく。」
一応こっちも挨拶しとくか、変に嫌な奴とか思われると面倒だし。あと眠いし。
「........よろしく。」
そう言うと水嶋が一瞬だけこっちの眼を見る。その眼には、驚いたように自分には見えた。
なんだ。どう言う意味だ?そう思っているとーー
「あー水嶋さん!おはよー」
「おはようございまーす。水嶋さん!」
クラスから何人か入ってきて、みんな水嶋に挨拶をする。そんなに有名なのか?
「あっ、ごめん。他の人たちに挨拶しにいってくるよ。」
そう言って他の人たちのほうに行った。
「二人とも知り合いなのか?あれと」
『えぇー!』
「な、なんだよ。」
二人揃って驚いた様子で言う。
「知らないのか?あの水嶋さんを!」
「流石の奏も知っていると思ったけどねー」
それから二人に水嶋とはどんな人か聞かされた。てか早く寝させてくださいお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます