玄関あけたら2分で異世界

@chimasa

第1話 プロローグ

 ここは何処?。自宅の玄関を出て鍵を閉める。少し広めの家の庭は元農家のせいだ。そして庭を出てコンビニ行こうとした俺は突然に広がる大砂漠に居た。

 砂漠と言うと砂の砂漠を思い出すだろうが砂漠の定義に砂などの地質は関係ない。平たく言えば降水量が一定量以下で植物が棲息困難な地域を砂漠と呼ぶ。

 そう、地平線が見えるほどの広大な平地には植物が一本も生えていなかった。


 そこで一歩踏み出した足を引っ込めて後ずさりすると、景色は普通のご近所の風景に戻る。なんじゃこれ?。コンビニに行けない。他の出口を探すもことごとく失敗。事実上自宅から外出不可能になってしまった。


 砂漠の中の一軒家っぽく感じるが実際は家の敷地内からは近所が見えるし、ガス水道電気もしっかり通ってるし、ネット回線も生きてるし電話も携帯も通じる。しかし事実上家から出られない。いや出ることは出来るがそこは異世界の砂漠の真ん中だと言う事だ。


 そこで私はコンビニに行けないならコンビニに来てもらう事にした。宅配型コンビニの利用である。地方田舎で普及しだしたサービスで、ネット注文で5千円以上の注文なら宅配料無料、それ以下の金額だと配送料500円と言うコンビニ出前である。


 コンビニ弁当を数日分とビールとジュース、雑誌に冷凍食品などを予約注文する。すると、玄関前のボックスにいいかげんな時間に配達してくれるのだ。今回は別途配送料1000円のお急ぎ便で注文した。その場合30分以内で配送バイクが届けてくれる。あのピザ屋バイクのタイプだ。


 何事も無く配送員が来て荷物が届く。普通にご苦労さんと声をかける。あの配送員は砂漠に出るのかと期待と不安で見送ると、普通に門を出て行った。出られないのは俺だけなのか?。


 うん。家から出られないが特に困る事は無いな。テレビ見て風呂入って寝るか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る