垂れ耳エルフと世界樹の街 ~Prequel~
小田島静流
prologue
「オルト君、キミ異動ね」
横長の瞳で見つめられて、ぶるると翼を打ち震わせる。
「なんでですか、局長! オレ、何かやらかしましたか!?」
「違うよ、急な欠員が出たの。という訳でキミ、来月から十二番街の《黄昏通り》担当ね」
「十二番街!?」
常緑の巨木を中心に、渦巻き状に連なる《世界樹の街》。そして十二番街は巨木の根元にある最奥の街だ。
「めちゃくちゃ遠いとこじゃないですか!」
抗議の声を聞き流し、問答無用とばかりに辞令を押しつけて、局長はすい、と目を細めた。
「キミの翼なら一飛びだろう」
実直な彼はお世辞など言わない。だからこれは、純然たる事実を述べているだけなのだろう。
「左遷じゃないから安心して」
「ほんとかよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます