第2話 下克上昇進

入社したその夜私は会社のルールを聞き、ボクシングの経験を生かし一気に昇進してやろうと考えていた。上司の係長からポストを奪うため、その日からトレーニングを開始した。係長もさすがに係長なだけあって一筋縄ではいかない。毎日動きのクセを観察し、決戦の日に備えた。そして、その日はやってきた。「係長今日こそあなたのポストもらいます。」「ほう、来たか田中。やれるもんならやってみろ。」「いきますっ!」右ストレート。係長はかわす。係長の左フック。田中にヒットする。田中はよろけた。その瞬間係長は一瞬隙を見せた。すかさず観察して見つけた、係長の古傷のある右足に向けて蹴りを放つ。「ぐあーっ!」クリーンヒット。係長は叫び声をあげ倒れ込んだ。トドメだ。渾身の右ストレートが係長の顔面に直撃した。係長は気絶した。「そこまで」審判の平社員が止めに入る。「新係長は田中太郎!」審判の言葉に皆が盛り上がる。「やったな太郎!」「ああ、だが、まだ戦いは終わっていない。社長を倒すまで私は戦い続ける。」私はそう宣言すると係長の机に向かった。「待っているぞ。田中」社長室で社長はそう呟いた。田中の戦いは続く! -to be continued -

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